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レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙/刑事グラハム 凍りついた欲望のSYUのレビュー・感想・評価

4.0
2021/11/18
監督 マイケル・マン
ウィリアム・ピーターセン
トム・ヌーナン

【深淵を覗く者】

天才的なプロファイリングの能力を持ちながら過去の事件で心と体に深い傷を負った元刑事が、黙示録の絵に魅せられ凶行を繰り返す殺人鬼を追う様を描いた、サイコスリラー。

M・マン監督でもう一本。

T・ハリス原作による、いわゆるレクターシリーズの第1作で「羊たちの沈黙」の前日譚となる物語だが、映像化はこちらが先、後にE・ノートン主演によりリメイクされた。

初めて「羊たちの沈黙」を見た時、あまりに感動して同作をはじめT・ハリスの小説を読み漁った、とはいえハリスはかなりの寡作作家でありこの時点で3冊しか出していなかった。

原作は「羊たちの沈黙」に勝るとも劣らない傑作小説だった、その後レンタルビデオで「刑事グラハム/凍りついた欲望」という名で並んでいた本作を何気なく手にとり、それがレッド・ドラゴンの劇場版だと知り驚いて見た記憶、今回監督がM・マンだったと知り更に驚いています。

主人公はあのレクター博士を逮捕した男、その過程で心身共に傷ついた彼が追う異常犯罪者、事件の背後に見え隠れするレクター博士の存在。

クライマックスの壮絶な死闘も見応えあり、埋もれていますが、なかなかの佳作スリラーの一本です。

鑑賞日 1990年頃 VHSにて
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