知るべき前情報をすっぽかして見てしまった感じがした。
古さを感じさせない映像、いや実際には古いが、ロマンチックな音楽と共に街のネオンがタクシーの車窓を流れていく感じが私は好きだ。
社会への苛立ちとどうしようもない自分の環境、置かれている立場とか、そういうのの捌け口に何かをしたかった、それがテロ的な何かだったんだと思うけど。
その終盤の畳み掛けよりも私は中盤までの葛藤とか、日常的なものの方に目を奪われていた。
街にはゴミばかりだ、とか、好きになった女が選挙ワーカーだったとか、大義のように見せて全く何も考えていないんじゃないかと思わせる苛立ちと言動。
人の気持ちを考えずに一方的に決めつける思考回路、こっちのが余程私には怖い。