無意味な社会、無意味な労働、無意味な自分、無意味な物。
そんな社会に抵抗する人間は異常者として排除される。やりきれない。
一人の少女との出会いを通して、理不尽で無意味な社会にメスを入れる。
結果として彼のしたことが正常な人間に受け入れられる形になって、彼は報われた。
なんて綺麗に終わってるけど、それはたまたま彼と世間の利害が一致しただけの話であって、彼を英雄扱いする世間にも腹が立って仕方がなかった。
彼が恋した女に対してさえ、最後、よく殴らないで落ち着いていられるなぁと感心してしまった。
腐った社会で無意味な物に囲まれて生きていくことを強いられた時、人の精神は屈折し、狂人を作り出す。
残酷な事件が起きたというニュースを耳にすると、そんな狂人を生んだのもこの社会なのではないかと他人事では居られなくなる。