映画初心者

どうぶつ宝島の映画初心者のレビュー・感想・評価

どうぶつ宝島(1971年製作の映画)
3.7
良作冒険活劇アニメ。森康二、小田部羊一、宮崎駿パワーを感じれる作画アニメでもあります。派手なことが多くおき、画面が賑やかで楽しい。この作品のアイデアは「カリオストロの城」、「ハイグレ魔王」と派生していきます。

愉快で楽しい映画ですね。子供向けですが、戦いあり、歌ありで面白くしようという気概を感じます。今でいう「スパイキッズ」的な面白いと思える要素をいっぱい詰め込んだみたいな感じでした。

作画が凄く良い。森康二、小田部羊一、宮崎駿というレジェンド3人によるパワーをひしひしと感じます。序盤の航海に出るシーン、波のリアリティのある動きに既に満足度、小田部さんによる作画。中盤の船での乱闘シーンは宮崎さんによる作画。群衆だらけ、そして高低差のレイアウトと宮崎さんの得意分野が存分に出ていました。また、コーヒーのシーンでの船長の柔らかい表情は、森さんによる作画修正でしょう、とても良かった。

随所に見たことあるシーンが出てくる、というのもこの作品から派生していったのでしょう。特に終盤。山頂でペンダントを落としてしまい拾おうとするシーンは、カリオストロの城の屋根ジャンプ。山頂に競い合いながら登るシーンは、クレしん映画1作目の競争シーンなど。この作品の影響力が伺えます。湯浅監督は、宮崎アニメみたく終盤につれて舞台が上に上がっていくのが好きとインタビューで言っていた記憶がありますが、そういった考えをもつきっかけともいえるでしょう。

不満点としては、中盤、船が到着してからの一連が若干だれていたぐらいですかね。映像的な魅力はそこだけ薄かった。個人的には、序盤の航海シーン、中盤から終盤にかけてのコーヒーシーン、乱闘、宝島到着あたりが結構楽しめていました。

【総評】
良作冒険活劇。素直に楽しい作品です。若干退屈なシーンはありましたが、ちゃんと楽しませようという思いが伝わってくる、そして動きが豊かで楽しい、そんな作品でした。
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