タミキーリ

ヨシワラのタミキーリのレビュー・感想・評価

ヨシワラ(1936年製作の映画)
4.0
「快楽」でふんだんにあった、ぐるぐる長回しがこの作品でも。あと娼館だったり茶屋の中を外から映す手法も。全体的に「謎のニッポン」が満載。田中路子が演じるコハナの父親の名前が「ダンジュウロウ」なのに、吉原の門の中には、「市川團十郎」ってのぼりがあるのに笑った。きっと「ダンジュウロウ」を漢字でどう書くのか知らなかったんだろう…。あと、お三味線の弾き方が完全にギターだったので目を剥いた。それでも展開は面白く、特に早川雪洲の演じる車夫の役回りが効いていた。
日本を舞台に日本人とロシア人がフランス語を話して悲恋ってもう、それだけでよく分かんないでしょう。だけどこれがまたなんかだんだんしっくりくるんだから、不思議な魅力。
中盤以降にある、セルゲイがコハナにドレスを着せて、故郷ロシアを想像で案内する場面が凝っていて、そして可愛らしかった。セルゲイとコハナがとても楽しそうだった。