まことぴ

天国の日々のまことぴのレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
4.2
ベルナルド・ベルトルッチの「1900年」を彷彿とさせるような堂々たる叙事性(と思ってしまったのはどちらもエンニオ・モリコーネが音楽を担当しているからか)のなかにヌーヴェルバーグ的な即興性をほのかに漂わせながら(撮影はロメールやトリュフォーとも仕事をしているネストール・アルメンドロス)、不意に訪れるフェリーニ的なツイストを折り返し地点にして「風と共に去りぬ」もかくやの古典的な愛憎劇を大河性あふれる演出で盛りあげたあとに、ニューシネマ的な寂寥感が漂うラストを迎える……というように、ひとことではとても説明し切れない複雑な相貌を持つ映画。とはいえ「生命」の根源に対する関心や「時代」に対する無常感、「人間性」に対する肯定的なまなざしといった「ツリー・オブ・ライフ」へとつながる要素の萌芽がはっきりと見てとれた。
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