天国の日々の作品情報・感想・評価・動画配信

「天国の日々」に投稿された感想・評価

Kuuta

Kuutaの感想・評価

3.9
マジックアワーという言葉を生み出した作品。マジックアワーへの美意識の貫徹っぷりには狂気すら感じる。とにもかくにも撮影のアルメンドロス&ウェクスラーの映画。

全てを等しく輝かせ、浮かび上がらせる光。農作業の落穂拾い的な美しさ。手持ち撮影も多いが、自然光を適切に捉えていく技術は圧巻。もちろん、マジックアワーを待ち続ける手法にゴーサインを出したテレンスマリックの創作意欲の賜物でもあるだろう。マカロニ感のないモリコーネの劇伴も素晴らしかった。

お話自体は大したことない。20世紀初頭のテキサスで、季節労働者として楽園を求める移民と、病気で余命わずかな農場経営の若者の間の苦い青春。エンディングでアビーは冒頭同様に列車に乗って画面の左へ、次の旅に出る。一方のリンダは次世代の象徴なのか、画面右へ自分の足で線路を歩き出す。何気ない対比だが、やけに目に焼き付いた。

麦を刈り取る機械の不快な回転音。さまざまな回転動作が画面内に溢れている。工場勤めの衝動的な主人公ビル。テキサスの自然の厳しさ、生きる事の辛さが内なる炎となって爆発する。肥沃な水との対比。美しく残酷な自然に、天国と地獄の両側面を見ることが出来る。そんな神の目線のような俯瞰図の中で、小さな人間の醜さ、悲しさが描かれている。無表情な影の一つと思われたイナゴに反乱される。

映像とドラマが釣り合っていない感も強いが、この映像は一度見たら絶対に忘れられないと思う。78点。
テレンスマリックの映画の人間って動物っぽい。子犬とか子猫とかに見える。映画の視点が超越した所にあるからかもしれない、霊の視点というか。
過酷な労働の合間に訪れる戯れの時間の美しさ。
麦畑の遠くに見える農園主の豪邸。
汽車が渡る陸橋とか、映像が綺麗過ぎる。
それでも話はどうしようもない三角関係を描くという俗っぽさも嫌いじゃない。
開拓の夢も潰え、つまらない冬が来て、第一次世界大戦も始まる。
それでも少女は冒頭と同じく放浪していくんだな、。

多分天国の日々って、思い出の中にしか存在しないのでは。
あの小麦畑の労働の日々が、その最中では過酷だし賃金安いしで辛いんだけど、そんな日々が終わって、豪邸に住みはじめてからは労働の日々が天国に思えてくる。
正直見ていてそこまで面白くなかったけど、思い返すとなかなかに切ない。
「ほんとうの天国は、無知の中にしかない」

隠された人生を遡ってゆくテレンス・マリック監督祭り第1弾は、20世期初頭のテキサスを舞台に持てる農場主の善意と持たざる労働者の悪意の邂逅から生まれた悲劇を、天国のように美しい映像と音響で切り取った傑作。

すさまじい情報量のカットをモノローグがシーンにする近年の作風に対して、画と音のポテンシャルをそれぞれじっくり堪能できる流れが心地良く、特にリピートすることで不可変というテーマを切なく演出するエンニオ・モリコーネのスコアが素晴らしい。

「目は口ほどに物を言う」と静かなる激情を体現する、若き日のリチャード・ギアを始めとしたキャストの芝居は瞬間を掴み取り、人生は変わらずとも愛情が変わっていく過程がまるで実体験のように染み込んでくる。
これも印象的な映画だ。映像は素晴らしい、ただ最後の10分ぐらいはちょっと弱かったと思う。
 それでも、あそこは天国だった。
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 20世紀初頭。開拓途上のテキサスを訪れた人々は、期待と共にどこか不安げな表情を浮かべている。語り部の「代わりはいくらでもいる」というセリフの通り、彼らはアメリカンドリームの退廃的な一面をすでに背中で感じているのだ。

 しかし、テキサスの悠然とした荒野とバイソンやキジ、クジャクといった野生動物たちは、彼らを温かく迎え入れた。モリコーネの劇伴も牧歌的。オスカーに輝いた撮影もマジックアワーを待った遠景の一方、被写体に近寄るドキュメンタリックな趣がたまらない。

 だが、そんな天国の日々に突如として終止符が打たれる。イナゴの大群による蝗害。長閑に見えたテキサスの自然が彼らに牙を向いたのだ。夢を思い描いた地に隠された負の側面に人々は動揺し、思いもよらぬ顛末へと転がり込む。

 「映像詩人」の異名に違わぬ優美な語り口に、アメリカンニューシネマのような夢破れた哀愁が残る。ストーリーの繋げ方にやや違和感はあったが、テレンス・マリックとの出会いに相応しい傑作であった。
kikkawa

kikkawaの感想・評価

5.0
ミザンセンの簡潔さ、カラーコーディネートの心地よさ、陰影の美しさ、自然と生命の神々しさ、監督としてテレンス・マリックが一番好き。
ま

まの感想・評価

5.0
最初の列車のところからすきだってなっちゃう、リンダとおじさんがダンスしててその前を男が煙草をふかして通り過ぎるところが本当にすき
映像が美しすぎる映画です。映画の主役が風景といっても良いです。
ただ大量発生するイナゴのシーンはきつかったです。イナゴは別に苦手でもなかったのですが、しばらくの間は見たくないです。
映像は本当に綺麗だと思う。

けどテレンス・マリックはそれだけで映画という物は成り立つとでも思っているのだろうか?
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