人喰いうなぎ

喜劇 とんかつ一代の人喰いうなぎのレビュー・感想・評価

喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)
4.0
レストランに動物園への近道があり、普通に話してる時にも画面外からブヒブヒ動物の声がしているというクレイジーな舞台設定(物語上は全く生かされない)にクレイジーなキャラクター設定と、やってることは典型的なヘイズコード時代のスクリューボールコメディなんだけど、登場人物がやたらとキスしまくる
(クロレラ研究夫婦ですら初登場でキスする)

ベッドシーン自体は映さないのに、潔癖症のオッサンも含めてやたら性の話題が多い
この辺に映画史的な倒錯(大袈裟)を感じ、同時に川島雄三が日本で初めてキスシーンを撮った監督だということを思い出す
とんかつ映画というよりキス映画

「とんかつの脂の滲んだ接吻をしよう」
と物語は無視してキスで映画は結ばれる
いや何も結んでいない

やってることはアメリカンなのに英語で出せないニュアンスの名人芸がある
面白い