検非違使

ランタナの検非違使のレビュー・感想・評価

ランタナ(2001年製作の映画)
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「死ぬまでに観たい映画1001本」941+216本目

全編シドニーで撮影されたミステリー・ドラマで、主人公の刑事リオンをゴールデン・グローブ賞、トニー賞、エミー賞の全米主要3賞受賞の経歴を誇るアンソニー・ラパーリア(「ホールディング・ザ・マン—君を胸に抱いて—」「アリブランディを探して」)が演じ、本作の5年前のオーストラリア映画「シャイン」(96)で米オスカー主演男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュ(「ホールディング・ザ・マンー君を胸に抱いてー」「台風の目」「キャンディ」「ケリー・ザ・ギャング」)、そしてアメリカから招かれて出演のこちらも2度のカンヌ国際映画祭女優賞に輝きオスカー候補歴も持つハリウッド女優バーバラ・ハーシー、そのほかの俳優もハーシー以外は全員、全豪映画TV界のトップ・スターたちを配したオーストラリアのオール・スター・キャスト映画。シドニー映画祭、メルボルン国際映画祭のほか、海外でもトロント国際映画祭など世界各国の映画祭に出品された。

 もともとは舞台劇としてシドニーで上演された芝居の映画化で、舞台版と同じ劇作家・脚本家アンドリュー・ボーウェルが映画版の脚本も手がけたほか、サウンドトラックのオリジナル・スコアは自身も全豪ポップス界で大御所的存在のシンガー・ソング・ライター、ポール・ケリーが作曲。同年度オーストラリア映画協会(AFI)賞(現オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞)では主要12部門13候補となり(レイチェル・ブレイクとダニエラ・フェリナッキが助演女優賞のカテゴリーでダブル・ノミネイションを受けた)見事、作品、監督、主演男優(ラパーリア)、主演女優(ケリー・アームストロング)、助演男優(ヴィンス・コロシモ)、助演女優(ブレイク)、脚色賞、と主要賞を完全総ナメの7部門受賞に輝いた(※残念ながら受賞を逸したのは衣装デザイン、音響、編集、作曲、美術賞の5部門)。イギリス出身のオージー監督レイ・ローレンスは本来CM畑出身で、劇場映画は85年の監督デビュー作「ブリス/あの世とこの世とこの野郎(Bliss)」、その実に16年ぶりにメガホンを取った本作、そして2006年の「ジンダバイン」の3本しか監督しておらず、3作品とも高く評価されているのでもったいない話ではある(※3本ともAFI賞監督賞にノミネイトされ、「ブリス」と本作で2度受賞)。

主人公リオンとその妻ソーニャ夫婦役のアンソニー・ラパーリアとケリー・アームストロングは本作でそれぞれAFI賞主演男女優賞を受賞

STORY
 ランタナが美しく咲き乱れるシドニー、刑事リオン(アンソニー・ラパーリア)は妻ソーニャ(ケリー・アームストロング)とどちらもティーン・エイジャーの息子2人と暮らす幸せそうな日々の中で、なぜか夫と別居中の人妻ジェイン(レイチェル・ブレイク)との不倫に走る。ソーニャもリオンが何か隠していることを薄々気づき、そのことで悩み夫に内緒で心理カウンセラー、ヴァレリー(バーバラ・ハーシー)のカウンセリングを受けている。ヴァレリーは2年前に当時11歳の一人娘を変質者に殺害されて以来、夫ジョン(ジェフリー・ラッシュ)との間に溝ができてしまっていることを感じている。そんなある夜、帰宅途中のヴァレリーの運転していた車がひとけのない山道でエンスト、道端の公衆電話から自宅のジョン宛に留守番電話のメッセージを残している際中、「ああ、車が近づいてきたわ。手を振って助けを求めるわ」と言って電話を切ったのを最後に、ヴァレリーは失踪してしまい…。
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