アトミ

猟人日記のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

猟人日記(1964年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

60点

(オープニング)
「血液」に関する説明。
現場に残された血痕、タバコの吸殻、精液(非分泌型はほとんどがO型とでる)からでも血液型を割り出せたり出来ますよー。ってなことをタラタラ説明(これから劇中で起こる殺人事件に関係するんでしょうね)。


話は変わり。
尾花恵子(19歳。極東生命キーパンチャー)がノイローゼにより、ビルから投身自殺した。
姉が警察で事情聴取。
無断外泊するような子ではなかったが、半年前に終電に乗り遅れたと朝帰りしたことがあった。
警察の調べで、恵子は妊娠していたとわかったが、その事と自殺が関係ありそうだ。
恵子の日記には名も知らぬ男とのワンナイトラブについてが書いてあったと姉は泣きながら話した。


話は変わり。
本田は鼻歌を歌いながら、「猟人日記」をペラペラとめくる。

「尾花恵子」
4月16日。ホテルでディナー。
「狩猟」を掻き立てる生暖かい風に誘われ、新宿で飲み直し、4軒目で「獲物」に出会った。
流しの伴奏で学生時代愛唱していた「流浪の民」を歌っていると、獲物がデュエットしてきた。何度も合唱した。
一緒に数件飲み歩き、四谷の宿でヤる。
2時間後に征服。処女。
貧乏人のようで数千円を財布に入れておく。

追記
9月10日。ランデブー半年後、自殺。哀悼。


そんな中。
姉は恵子の日記を頼りに、半年前のワンナイトラブ男を探し回る。
あるBARで流しのバイオリン&ギター弾きに「男と女」が一緒に合唱したはずだと聞き込み。
バイオリン弾き「ああ。本田さんの事か。最近新宿には来ないよ。アジアなんとか大学出身らしい。」

姉は「結婚相談所の者」としてアジア・モラル大学へTELし、松山教授にコーラス部リーダーだった卒業生「本田一郎」の事を尋ねた。
と、珍しい血液型(本校の生物研究所に問い合わせればすぐ分かる)だということと、パレスホテルに滞在していることがわかる。
姉は直ぐにパレスホテルにTELし、ルームナンバーを尋ね、305号室と突き止める。

そんな中。
本田はホテル住まいをしながら、四谷にアパートの部屋(アジト)も借りており、4日ぶり(仕事が忙しい)にアジトへやってきた。
「猟人日記」はここに置いてあり、「獲物との交尾」記録を読み返しながら思い出に浸る。
そして鼻歌を歌いながらお出かけの準備をし、夜の街へと出かけた。

レコード屋で獲物を物色。
1人になった(用事があるからと同僚と別れる)メガネオールドミスの後をつける。

メガネオールドミスは「用事」などなく、映画館へ。
本田はしめしめと、フランス人のフリをしてワザとぶつかり、親しくなり、一緒に映画を観る。
その後、数件飲み歩き、メガネオールドミスの部屋へ。そして交尾。


数日後。
ホテルロビーで新聞を読む本田。
と、見覚えのあるアパートと女が絞殺されたという記事を見て、ハッとする。
アパートへ行き、「猟人日記」をチェック。

「津田君子」
10月16日。千葉市でビジネスの後、江東楽天地を散策。
ダンスホールにて見つけた獲物。
が、その日は時間切れ。
アパートの地図をもらい、再会を約束した女。

だった。
新聞記事には絞殺された晩に男と交尾した形跡があったと書かれていた。
が、本田はその時、別の女(相川房子)と交尾していたアリバイがあったため、安心した。

追記
11月5日。津田君子殺さる。私が容疑者になることはない。


後日。
本田は美術館の前を歩く。
興味はないが、以前ここで「毛並みのいい獲物」を仕留めたことがあった。

デッサンを書く、獲物に目をつける。
またフランス人を装い、口説き落とした。
阿佐ヶ谷にある獲物のアパートへ。
彼女(小杉光子)の靴箱の隣の靴箱に「尾花」の名を見つけ、ハッとする本田。だが誰だかは思い出せない。
「尾花」は彼女の上に最近引越してきたようだ。

本田は光子を押し倒す。
が、めちゃめちゃ抵抗する。
が、彼女は本田を好きだと言う。
本田は優しくキスし、TEL番号を聞き、とりあえず今日は何もせずに帰って行った。

蛇の生殺し状態の本田は「相川房子」のことを思い出し、夜中だったが部屋へ向かう。
と、ドアが空いていたので入ってみると、相川房子は絞殺されていた。ビビった本田は飛んで逃げる。


津田君子も絞殺。相川房子も。
ヤッた女が次々死んでいく。ありえない。
とりあえず本田は「猟人日記」に、12月22日。相川房子が絞殺された。2人共獲物だったことは偶然。だと記入した。

翌日。
会社で朝刊を調べまくる本田。
が、相川房子事件は載ってない。
発見されてないのか?

翌日。
大阪行き機内(毎週土曜日にだけ屋敷に戻る)で朝刊を調べまくる本田。
と、記事発見。

大阪へ到着。
妻種子が出迎える。
ナイトクラブでのクリスマスディナー。
と、ダンサーのアクロバティックダンスを見た本田は相川房子の絞殺死体が目に浮かび、立ちくらみを起こしてしまう。

屋敷へ。
種子はアトリエで奇妙な作品ばかりを描いている。
2人の間に(メキシコで)生まれた赤子は骨がない奇形児だったため、300ドル払い始末してもらった。
それがトラウマになり、夜の営みが不能になった種子(その心の闇が絵に表れている)。
本田も不能になっていると種子には話してる(そのストレス発散が「獲物狩り」であり、本田も心に闇を持つ)。
が、こんなレスな夫婦生活でも離婚できない。本田の地位は全て種子の家系のお陰だった。

夜。
部屋で別々のベッドで寝る本田と種子。
ムラムラして種子のベッドへ入り、乳を貪る本田だったが「マグロな種子」に我に返り、自分のベッドへ戻り、布団に顔を埋め発狂する。


東京へ戻る機内で本田はもしかしたら小杉光子の命も危ないかもしれないと考えた。
本田はTELし、今晩11時に光子アパートへ伺うことに(まだ死んでいなかった)。

そして光子の部屋へ。
ドアが空いた。相川房子の時と似ている?
本田は部屋の中へ。留守のようだ。
と、タンスの扉から「アジトにあるはずの本田のネクタイ」が。
本田はタンスを開ける。と、小杉光子の絞殺死体(ネクタイで)が転がり落ちてきた。
本田は死体をタンスの中へ戻し、一旦落ち着くため、タバコに火をつける。
通報すれば地位が危ない。とりあえずネクタイを解き、部屋から逃げようとする。
と、なぜかドアが開かない。外からカギ?
とりあえず窓から外へ出て、玄関へ。
と、今度は靴箱に靴がない。
物音がしたため、とりあえず外へ飛んで逃げる本田。と、コケてしまう。

アジトに戻った本田。
コケた拍子にケガ(足の親指から血が出てる)。
タンスを開けると針金がたくさん付けてある竹箒が倒れてきて、ほっぺたを切ってしまう。
誰かが罠を?
やっぱりネクタイはない。光子絞殺に使われてた。
「猟人日記」もない。
確実に誰かが部屋に入ってる!
焦る本田。


後日。
事件は同一犯による連続女性絞殺事件として巷を賑わす。
本田は、犯人と間違えて警察が逮捕にやってくると考えていたが、来るなら今日じゃなく、明日だと睨んでた。
が、今日呆気なく逮捕される(本田の計算通りには行かない暗示)。


裁判所。
靴箱でなくなった靴(イタリア製)は小杉光子の部屋の押し入れから見つかる。
小杉光子絞殺に使用されたネクタイ、相川房子絞殺に使用されたストッキングはアジトから鹿児島の実父に送った布団袋の中から見つかる。
小杉光子の右手爪の奥にRh-AB型の血液が見つかる(本田と同じ血液型。光子はO型)。
相川房子の体内からはAB型の精液。
証人6名の証言も吉田にとっては不利なものが多い。
吉田は誰かに罠にはめられていると考えた。

そして津田君子の殺人については証拠不十分で無罪。
相川房子、小杉光子の殺人は有罪。本田は死刑という判決(第一審)が下った。


そんな中。
種子の父、原会長からの依頼で本田を弁護する事になった畑中弁護士は無罪を信じ、「猟人日記」を元に交尾女に聞き込みを開始。
本田のプレイはドノーマル。首を絞めるような癖はないとわかる(警察も調べ済)。
そして女達は好意さえ持っている。そんな本田が「あの2人だけ」をいきなり首を絞めるとは考えにくい。
「変態性欲者」とは言えないのでは?と畑中は感じていた。

畑中は交尾女、アジトの管理人に聞き込みを続ける。
と、管理人の妻が階段を掃除している時に本田の部屋から「女の泣き声」を聞いたという証言をゲットする(警察に話したが笑われた)。
そして交尾女小野ミツコからは「その時にできた赤子(ミツコは息子が生まれて生きる気力を取り戻した)」の写真をゲットした(本田には言わないことを条件に)。


畑中は本田と面会し、「猟人日記」をもう一度書かせようとした。
本田はもううんざりしていたが、畑中が発破をかける。


畑中は事務所で「本田に不利な証拠」をまとめる。
小杉光子の爪から見つかった血液は初め「AB型」と判定。が、本田が逮捕され、「Rh-」とわかり、慌ててRh検査をやり直す。
と、「Rh-」と照合。
これにより本田は犯人だと確定されてしまう。

そしてアリバイがない。
が、それは真犯人による「罠」であり。「本田に対する怨恨」から来ていると本田は睨む。
真犯人を見つける為には「猟人日記」を調べる必要があるために、もう一度本田に書かせた。
まず畑中は真犯人が「どうやってRh-AB型(2000人に1人)の血液を入手したか」を助手に調べさせた。

助手は都内の血液銀行を回ると、去年の10月頃に豊島区石本病院から「赤芽球症」患者の赤子に輸血するためと、Rh-AB型の問い合わせがあった(今は新生児溶血性疾患と言っており、おかしな問い合わせ)と聞き、石本病院に確認。
と、「そんな患者はいない」とわかる。

連絡を受けた畑中は「偽TEL者が血液銀行から聞き出した6人の供血者」を興信所に調べさせ、助手をアジア・モラル大学への聞き込みに向かわせた。

助手は、教授が結婚相談所を名乗る女と「本田の血液型」と「本田が赤芽球症の赤ん坊を助けた(新聞記事あり)」という話をしたことがわかった。

畑中は真犯人がこの新聞記事を読み、血液銀行にTELしたのは間違いないと睨む。
そして興信所に調べさせた6人(5人の男と1人は42歳の女)の内、とりあえず5人の男に絞り、真犯人に血を提供したかを調べる。


「鼻の横にホクロのある女」。
闇宝石売りの佐田という男が、温泉宿での交渉の際。そのマダムに睡眠薬入りのビールを飲まされ、血を抜かれた。

谷川という男は風俗嬢に成りすました女に店で精液を採取された。

42歳の女(実は男でオカマバーママ)も、男客を装った「ホクロ男」に誘われ、ホテルで精子を採取された。

城東大学病院インターンの山崎という男から看護師を装った「ホクロ女」は人工授精用の試験管を大金を出して買っていた。
とわかった。

そして山崎は非分泌型だったため「精液はO型」だったため、自分の精液は「今回の事件とは関係ない」と語った。


畑中と助手は「あのBAR (本田が書き直した「猟人日記」を読み、やって来た)」で6人の情報を整理する。
検死の際、津田君子の体内から検出された精液は初めO型と鑑定されたが。後に「AB型」と修正し直したことが「曖昧」であるため、本田は津田君子殺人に関しては無罪となった。
つまり山崎の「精液O型話」は畑中が考えている「真犯人説」の裏付けとなる根拠になりうると考えた。
と、バイオリン弾きがやって来たので話を聞き、「ホクロ女」が本田のことを調べてたことがわかる(アジア・モラル大学にTELした女と繋がった)。


助手は畑中の指示で尾花恵子事件を調べる。
そこで「姉尾花常子にホクロがある」ことがわかった。
死体引取り人の姉の住所へ行ったが、既に引っ越した後だった。
畑中は新聞に「尋ね人」広告を出す。


間もなくして、阿佐ヶ谷のみどり荘(小杉光子のアパートの上)の管理人から「尋ね人」がいるとTELが入った。
が、最近は帰ってないようだ。
机の中から「猟人日記」が見つかる。
尾花恵子のページ(2ページ目)はちぎられていた。
と、「1ページ目」もちぎられていたことが気になる畑中(本田は尾花恵子が最初の獲物だと言っていた)。
畑中は「最初の獲物は尾花恵子じゃない」と睨み、拘置所へ。
本田に「真の最初の獲物」の話を聞く。
が、思い出せないと口を閉じてしまった。


翌日。
本田は犯行を認め、控訴の却下を申し出たと畑中に連絡が入った。
畑中はそれを一旦保留させ、大阪の原会長に会いに大阪へ。

原会長屋敷。
種子は精神状況が悪化しており、ベッドの中にいた(マグロ状態)。
助手は種子の鼻の横にホクロがあるのを見てビックリ!
が、それは「つけボクロ」だった。

婆やは全てが書かれた「種子日記」を畑中に渡した(他言無用を約束で)。
種子はもう法律に適用されない状態。後は本田を死刑にしないようにと「猟人日記」を尾花常子の部屋の机の中に入れたのは婆やだった。

そして畑中は全てを原会長に報告した。


助手は帰りのタクシーで「種子日記」を読む。
ある日、種子は本田に会いにホテルへ車を走らせた。
と、朝帰りする本田を見てしまう。
上着から鍵を見つけ、婆やに合鍵を作らせた。
アジトを探しあて、「猟人日記」を見つける。
1番ショッキングだったのは「1ページ目に種子の名があったこと(獲物扱い)」。
日記には種子は「非処女」だと記入されていた。
が、種子は本田しか知らない。しかもこんなに子殺しで苦しんでるのにも関わらず、本田は女を漁る。これがトリガーとなる。

記者を偽り、尾花常子に近寄り、資金を出し「敵相手」を調べさせた。
そしてアパートを引き払わせ、殺し、アトリエの床下へ埋め、尾花常子に成り代わった。
そして獲物を殺して、本田に罪を着せようと細工した。
小杉光子は種子に買収され利用されていが、本田に手を出そうとしたから殺されたのだった。



本田は釈放された。
種子は精神病院へ。婆やは自殺。原会長は隠居。
絶望する本田に畑中は「息子の写真」を渡し、託した。


夜。
本田は「あのBAR」で酒を飲む。
と、バイオリン弾きの演奏と尾花恵子の歌声?が聴こえ始めた(幻覚?)。
本田は他にも客がいる中、大声で「流浪の民」をデュエットした。





というお話。
オープニングいらない。
後半の「畑中弁護士事件簿」もいらない。かな。
もっと警察の無能さ、クズさと、本田の精神崩壊スパーキングまで行って欲しかったかな。
アトミ

アトミ