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スモークのYのレビュー・感想・評価

スモーク(1995年製作の映画)
4.8
ついに観ました!最初、再上映で話題になってたのは知らなかったんですが、メインビジュアルにやられて、観たいって思った作品です。残念ながら劇場ではなく、Huluでの鑑賞。でもじゅうぶん楽しめました。私の世代にとっては隠れた名作でした。10っこ上の映画好き素敵人にきいたら、最初の上映の時、映画館でみたっておっしゃっていた。さすが。

そうそう、この映画を紹介している記事がTABILABOに載っています。私のレビューなんかより、56億7千万倍観たくなるから、要チェックです。

はい、こんな傑作、何故私の世代まで引き継がれていなかったのか…私が似非映画ファンであるからと言ったらそれでお終いかもしれません。でもでも、単館系でもbuffalo’66や、レオンのようにずーっと話題になっている映画たちがありますよね。最近だと…最強のふたり?チョコレート・ドーナツ? それらは共通感覚での明確な魅力があるから、言葉にしやすく人に勧めやすい事が要因として上げられると思います。とりあえず、美術系とか美容師さんとかには、buffalo'66オシャレダヨーっ観ないと損ですよーってね(苦笑) 個人的にはストーリー大好きですが。レオンはいわずもがな、ナタリー・ポートマンとジャン・レノで涙腺にトマホークミサイルうってくるよーっとかね…

んじゃ、この映画は?(やっとこの映画の話)まず、おしゃれ感は皆無。スタイリストさんすごすぎ!今風にいうとそこが逆におしゃれ映画?(笑)
いや、もう勧めやすい言葉であらわせないのですっ。まさに、煙草の煙のような映画です。物理的、精神的嫌煙家には絶対にすすめられません。
身体に悪いとか、百害あって一理なしとか…。しかし、この映画みたあとでもそんなこと言えますかね。現実でも煙草の紫煙みたいに、現か虚か、わからないまま過ぎていく事の方がおおいのではないでしょうか。特に対人関係、あなたがゆるぎない真実だと思っていること、それは本当に?何も疑いなく?…こんなことを考えだしたらキリがないです。もともと私もそういうことを考えて深みにハマってしまうタイプです。しかし、いくら考えても煙草の紫煙のようにどうもつかみどころがなく、ほろ苦さとある種の魅力に纏われていつの間にか、ふわっと消えてしまうのです。そんなことの繰り返しです。ほろ苦さと少しの魅力、それに依存して生きているのです。これは、煙草を吸わないって人でもわかってくださる方がいるかもしれません。

そう、真実って観る角度によって、形を変えるものだと思います。ひとりの人間が多面的にとらえられるようなものではないとおもうのです。それでも、つかまえられなくても、魅力を感じ、そう、依存してでも、なんとか日々を積み重ねて過ごしていけたら良いのかな、幸せなのかな。真実なんてそんなに重要ではないのかもしれない…という気持ちにさせてくれました。

それと、このグレーゾーンをかなり階調深く許容してくれる内容。日本人特有の感覚かと思いきや、世界共通だったんだなぁとあらためて。素晴らしい!

クリスマスの夜に観ることができてよかった。私の記憶からも、煙のようにどんどん薄れていくのでしょうが、恋しくなったらまたふかしたいと思わせてくれる大傑作でした。

はい、なんだか深夜に感想をかくのはやめた方が良さそうですね。長文超駄文に拍車がかかる。

俳優も最高でした。音楽も!トム・ウェイツでノックアウトです!

レビュー書いているうちに自己満評価がどんどんあがっていく~

はぁ、キックが強い手巻き煙草を…いや、ごく一般的だけれども、自分には少し強めの紙巻煙草を吸った後みたい。少しのヤニクラ…
良い映画だったな~
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