lorca

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのlorcaのレビュー・感想・評価

2.0
人生の成功と挫折、家族の喪失と再生の試み、信仰(神)と資本主義の対立。モダニズムの塊のような映画。でも、So What?ってな感じ。大して面白くない。

ダニエル=デイ・ルイス扮する主人公の山師も、公開当時に喧伝されたほど怪物じみた人物造形ではない。「稼ぐだけ稼いだら、あとはすべての人から遠ざかって隠遁したい」みたいなセリフ、普通に凡庸では…

「掘削」(下)と「ガスの噴出」(上)といった垂直方向の動きが、画面に緊張感をもたらしていた、とはいえる。随所で登場する事故の描写もこの力学に基づいていることが多い。

レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手がけたトーン・クラスター的な音楽も、カリスマなロック・バンドのメンバーが現代音楽っぽいことをやってる、という域を超えていない。ブラームスのヴァイオリン協奏曲第3楽章をセレクトしたのはいい感じ。
lorca

lorca