七麦

ボビー・フィッシャーを探しての七麦のレビュー・感想・評価

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チェスの才能を持った7歳の子供が父親を始め、様々な大人達の夢や希望を背負いながら、人間としてプレーヤーとして成長していく物語。実話ベースらしいが、すごく温かいストーリーだった。

序盤、母親が「優しい心を持っているのね、それが世の中で一番大切なことよ」と言えることが素晴らしいと思った。優しさが彼を素晴らしいプレーヤーにしたのだと感じたが、だからこそ周囲を差し置きトップに立つ事に恐怖を感じ、それでも負けたく無いという心のジレンマで悩んだりもしたのかな。

基本的にはみなジョッシュの事を思い考え行動をしている大人ばかりだった。時にはぶつかり行き過ぎた事もあったが、きっと答えなんてないんだろう。「子供に教えられる事がたくさんあると気がついても、結局は子供は自分自身」みたいな台詞に考えさせられた。大人も皆どうしたらよりよいかを考え、日々それを試しながら生きている。チャレンジしてる。結果は多分人生が終わるまで、わからない。生きるってそういうものなのかも知れないって感じた。

ストーリーには関係ないけど、コンピュータが人間に勝てる様になっても心を動かしてくれるプレイは人間のプレイなのかなと思った。技術の進歩には感動をするしすごいなって思うし、ワクワクもするけれど、プレイにおいて人が大切にしているものは、結果だけでは無いということなのかな
七麦

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