ナイトアウェイク

エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルドのナイトアウェイクのレビュー・感想・評価

2.9
フィルマークス325件目。

VHS鑑賞。多分、シリーズの中では一番に好きかも知れない。だから、特別に長ったらしく書く。

オープニングの、暗闇の中でゆっくりと蠢く人肌の淫靡な描写。濃く青いライトから見えるそのシルエットがとても美しくて、目を奪われた。そして、やはり音楽。怪しくも、徐々に恐怖心を沸き起こす調べにより、作品の世界に引き寄せられる。

見た夢がやけにリアルな感触があったりすると思う。この作品の幻覚、悪夢(?)の演出、展開、転換がこの時代にしてはとても優秀。久しぶりに観たけど、すごくドキっとした。ホラーとファンタジーの配合率も文句なし。

眠ってからがフレディの本領発揮であり、まさに独壇場だったと思うけど、それよりもずっと浅いウトウトで既にテリトリーに引きずり込めるのはフツーに怖い。劇中、主人公のまだ見ぬ我が子が、フレディと同じ悪夢の力で対抗する場面には、[悪夢は決して悪い暗示とは限らない]という夢占いであり、まさに[新しい出発]そのものを描いてたように思う。

かなり褒めてはいるけど、[なんじゃいそりゃ]な詰めの甘さもしっかり健在。もうちょっと何とかならなかったのかしらね…。

余談。
この当時のホラー映画って、作品紹介にもなんだか胸が躍る気持ちがした。決して怖そうでもないけど。