とろん

ハイ・フィデリティのとろんのレビュー・感想・評価

ハイ・フィデリティ(2000年製作の映画)
4.5
最近観た中でいちばん面白かったかもしれない。と、云うのも本だとか音楽が好きすぎるひとたちの「…解る!」って部分を描いてくれているからだと思う。ある歌手のワースト5の曲をみんなで考えたり、知識のないにわかのファンをばかにしたり。棚のレコードを五十音順じゃなく「自分の」年代順に整理してみたりとか…そう云う、好きすぎるが故の気持ち悪い部分まで、網羅してくれている感じ。ロブは現実にいたらぜったい鬱陶しくてめんどくさいタイプで、作中でも全然かっこ良くないんだけれども、解る面がありすぎた。そのロブが自分の失恋にけりをつけるための話がおおまかなあらすじになっていて、内容はそこまで凝ってないのに、構成がすごく凝っていて面白かった。あと、「絶望が先か、音楽が先か。ひとは音楽を聴くから絶望するのか。絶望するから音楽を聴くのか」とか「人の価値は人間性ではなく趣味やすきな音楽で決まる」ってフレーズがすき。キャラクターもみんな濃かったけど、特にバリー、めっちゃ岡崎体育みたいやん、と思った。買って手元に置いて何度でも観たい。それと、作中のロブみたいに、玄関にも棚を置いてレコードとか本とかで埋めてみたいと思った。
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