福福吉吉

エイリアンの福福吉吉のレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
5.0
◆あらすじ◆
船長ダラスを含め7人の乗組員を乗せた宇宙船は救難信号を受けて、未知の惑星に降り立つ。宇宙船らしきものを発見し、ダラスら3人が調査を行うが、副長のケインが未知の生物に襲われて急ぎ帰還してその惑星を離れる。ケインの顔面を覆った生物は時間の経過とともに死亡し、ケインも無事に意識を取り戻す。事なきを得た思った乗組員たちだったが...。

◆感想◆
未知の生命体を発見した宇宙船が遭遇する危機を描いた作品であり、生命体の得体のしれない恐怖とともに知られざる秘密の任務が実行されていた恐怖が複合してより不安感をあおるようになっていました。

まず宇宙船の内部や外部、惑星の景色など現在観てもリアリティと洗練されたデザインが目を惹きました。この作品が1979年に製作されていたこと自体が一番の驚きです。それでいて、長期間の宇宙船の移動に関してコールドスリープや特別な食物等、宇宙に関するディティールもしっかりしていて原点にして完成形に近い感じがしました。

ストーリーはテンポよく、未知の惑星とそこにある宇宙船の発見、未知の生命体の進化、乗組員間の疑心暗鬼と未知の生命体の襲撃、脱出とシーンが次々と変わっていくので最初から最後まで目を離すことができませんでした。

本作では誰が主人公か分からないように描かれていて、登場人物たちの人間関係やそれぞれの個性、そしてサバイバルの面で先を読ませないようにしていました。あまりにも有名になり過ぎて、誰が主人公かほとんどの人が知っていますが、上映当時のストーリー展開の工夫が見られて楽しかったです。

未知の生命体(エイリアン)のデザインの秀逸さは群を抜いていました。成長するにつれて変化する姿も不気味で、口の中からさらに口が出てくるデザインはなかなか思いつかないと思います。エイリアンが少しずつその姿を露にしていくのも、観ている側の不安を煽っていて良かったです。

SFホラーとして間違いなく名作であり、何回観てもその斬新さを感じる作品でした。

鑑賞日:2024年2月1日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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