GODZILLASAURUS

ミンボーの女のGODZILLASAURUSのレビュー・感想・評価

ミンボーの女(1992年製作の映画)
4.0
「世に出した勇気と力」

この作品を有名監督が世に出すなんて、あっちの業界の人から相当の嫌がらせや脅しがあったに違いない。
それを乗り越えた勇気と力は、まさに本作に描かれていることと同じじゃないか。

ヤクザと交渉するときは相手よりも多い人数で。
作中にあるセリフだけど、最初は誰もやりたがらず一歩引いていたホテルの従業員たち。
しかし、ラストシーンではみんなが一丸となって立ち向かうようになり、このセリフを自然に体現するようになっていた。
みんなの勇気と力が社会の悪や暴力を食い止める最も重要だと感じた。

とにかくヤクザ側の役者たちのヤクザ演技が素晴らしい。
直接的な暴力ではなく、恫喝や所作のみでヤクザの怖さをスクリーンから醸し出すには、演技とそれを演出した伊丹監督の力がすごいと感じた。
1番物静かなヤクザだった伊東四朗の醸し出す怖さがドキドキした。あれだけ凛と立ち向かっていた宮本信子が一瞬ひるむのが伊東四朗と対面したとき。

観ながら、自分がこの状況に出くわした時に何ができるかを考えていた。
立ち向かえるだろうか?強くいれるだろうか?
自信はないが、負けたくはない。星4.0
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