曜

ゴーストワールドの曜のレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
5.0
高校卒業してからの1年間のこととか思い出してくらくらした、当時観てたら寧ろ直視できなかったかもしれない、バスが来なくて結局少し大人になった今観られたから好かった

まわりの同世代の若者にうんざりしてナードなおじさんに惹かれて、それも内心社交性の面では自分の方が遥かに上だと見下しつつカルチャーや良いと思うものの感性を尊敬できて言葉が通じる初めての人で、そうして自分自身のことも肯定出来る気がして、だけど自分のことなんにもうまくいかなくて自分で思ってたより自分が情けないことも知って、その時々でなにかひとつに気をとられると他のことぼろぼろと取り零して、嫌なこと許せないこと沢山あるし周りに迎合することも出来ないのに本気で意見する強さもぶち壊せるほどの滅茶苦茶さもなく、周りからしたら気まぐれで好きに生きてる甘ちゃんに見えるし実際本当に全て失くなりそうとなったら蔑ろにしていたようなものたちにもすがろうとしたりするし、だけど一番の夢はある日突然何処かに旅に出てそのまま消えることだと言う
イーニッドは、天真爛漫に自分の信じるがままに強く生きてく!みたいなエンパワーメント系の女性主人公とは似て非なるものだと思う、そういう主人公たちにはそう生きれたらいいでしょうねと思うし憧れるけどイーニッドの不恰好さへの共感に近いものはあんまり持てない
あと、自ら望んだとてそういうことしてしまったらなんか気持ちが違ってしまうシーモアとの関係性のことがリアルだった、確かに誰でもよくはないけど何でもよくはあって、わたしが認める誰かにわたしを認められたい求められたい慰められたいって駄々こねるような、そういう、それは別に性愛と違う
曜