YP子

ゴーストワールドのYP子のレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.8
2001年のアメリカ映画。

テリー・ツワイゴフ監督、ジョン・マルコヴィッチ製作。
コミック『ゴーストワールド』を映画化。

舞台はL.A郊外。
変わり者同士幼馴染のイーニドとレベッカが高校卒業するところから始まり、
社会人となった2人の生活をベースとした物語。
そっこう原作コミックが読みたくなりました(笑)


これは、オタクの生き様の真髄を掴んだ映画です。


オタクか、オタクではないか。
観賞する人がどちらサイドの目線で観るか、で受け止め方は変わると思う。

私は確実にオタクの部類に入る。
流行りものより古いものや歴史あるものが好きだし、
皆が好きな音楽とかよりもマイナーでも自分が本当に好きな音楽を聴くし、
雑誌に載ってる服装よりも自分が好きな服装をして驚かれるし、
好きなものは集めてしまう。
そして好きなものに囲まれて生活したい。

だから、オタクの気持ちが痛いほど分かる!

大好きな友達とセンスや物事の感じ方が違って困惑する気持ちが分かる!
それでも友達が好きだから友達に合わせてしまうのも分かる!
世の中で寄り添える人なんていないかも...って思っちゃうときがあるのも分かる!

なので観賞していて心がすごーーーく痛かった。
社会との折り合いがつかずに苦しむ姿とか。


サブカル好きのオタクが居場所を見つけるのは大変だよね。
だから、同じ世界観の人と出会うとものすごくテンションあがって、ずっと話していられる!その気持ちもすごい分かる。
でも意外と世の中にはこういう人もたくさん居て、不思議と出会っては仲良くなっていくよね。
大人になった今だから分かるけど。
そんな事を思いながら観れる映画だった。

主人公たちがまだ若いから胸が痛かったんだよねー、私。
青春って感じで。
自分の青春時代と重ねまくっちゃう。
10代の頃なんて、こんな悩みばっかだったなぁって思った。
友達とか、趣味とか、自分の居場所とか、存在意義とか、社会との関わりとか、将来の自分とか。


こういう映画を観ると、色々考えることができて好きです。
ちょっとピュアな気持ちにもなるし、原点回帰もできる。

だから、大人になって「何やってるんだろう私...」とか思ってる人や、
今ティーンエイジャーで将来を悩んでる人が観たら何かヒントをもらえる映画だと思う!



そして、私はこの映画のイーニドがすっごい好き!
センスが全部好き。

70年代風のファッション。
バズコックスのTシャツ。
60年代のロックに影響を与えたインド音楽のレコード。
だいぶ個性的でカッコイイタッチの絵。
赤い口紅。
キラキラブルーラメのアイライン。
ネイル。メガネ。小物全部。
おばちゃん柄ワンピース。
マーチンっぽいブーツ。
ラバーソール。
古着。
緑に染めたボブヘアー。
パンクファッション。


「パンクの時代はもう終わったよ!社会に文句があるなら、ビジネススクールに入って大企業に入って、内部から変える時代だよ」とか言われてパンクファッションをバカにされた時のこのセリフ。

「私のはそのへんにある、今どきのパンクとは違うわ。1977年のオリジナル・パンクよ」


もう最高。

クラスにいたら絶対仲良くなって一緒に遊びまくりたいタイプ。
このイーニドの世界観は私が10代だった頃の90年代に似てる!
いやー、この感覚って味わうだけでテンションあがるんだよね。必然的に。
だからそれだけでもこの映画好き。
イーニド、口紅がすっごく似あってたなー。


あと、大好きなブシェミ君が出てて上がった。
すっごい役がハマってた(笑)



サブカル好き、ファッション好き、アングラ好きには絶対ハマると思う。この映画。
オタクが感じる、「普通」や「当たり前」なことと折り合いをつけて生きことの虚しさ。
それより私はその現状を飛び出して、折り合いのつくところへ行くのがいいと思う。


アウトサイダーな人生を選ぶこと。
それって私はすごくカッコイイと思う。
YP子

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