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ジキル博士とハイド氏のhighlandのレビュー・感想・評価

ジキル博士とハイド氏(1932年製作の映画)
3.5
1931年制作。
トーキーの初期なのでやはり演劇的なとこはあるんだけど、視覚的に色々なことを試している。
二面性を扱った映画だからかことに鏡像を使った演出が繰り返し出てくる。ヒロインが鏡を見つめるシーンで後ろから現れるハイドが映る→振り返ったヒロインの実像とか、冒頭の長回しに始まり、鏡をのぞき込む主観ショットとか。
あとは正面バストアップでハイドに変貌するシーン、編集でごまかさずにメイクを工夫して1カットで見せてるのが凄い。
女がベッドで誘惑するシーンで脚が揺れててそれがジキルの頭の中にこびり付く、というシーンで、女の脚をジキルの頭上にダブらせて多重露光で見せる。ほとんどマンガみたいな演出(笑。
ヒロインを襲うシーンで石像を象徴として使う。ハイドを追う警察の影が黒々と家屋の壁に大きく映りだされて動く、とか。シーン転換のワイプが何故か時計のような斜めワイプからの分割画面。列挙してしまったけど各シーンごとにバラつきがあるが色々な演出を探っている。

それにしても(原作通りなのだが)あっさりとした終わり方で、救いのない話だ。どっかしらにテーマの重点を置いてくれればいいんだけど。
2018/04/27
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