ジキル博士とハイド氏の作品情報・感想・評価

「ジキル博士とハイド氏」に投稿された感想・評価

大学の授業で鑑賞。
原作に比べるとかなり劣るが、時代的には仕方ない。

ストーリーよりも、多重人格を巧く映像化することに主眼が置かれていると思う。
現代の目から見ればそれも陳腐だが、映画史の中で考えるべきか。

何度もリメイクされている作品なので、いつか比較して検討してみたい。

written by K.
waowao

waowaoの感想・評価

4.0
「宝島」で有名なスティーブンソンの原作を映画化
第一回ヴェネツィア映画祭オープニング作品

紳士なジキル博士と獣のハイド

最初の変身後のハイドの猿のような動きや表情が最高

最初ジキル博士の視点で始まるオープニングは鏡のシーンなどで多少ミスや不自然さが気になるが、同時に演出への努力が見られて微笑ましい

娼婦のガーターをはめた脚が揺れるシーンと紳士二人が並んで歩くシーンを被せた画はもー素晴らしいし、オルガンで奏でるバッハの曲もホラー映画にぴったり!

どんなに腹をくくって我慢して善行に励むと誓っても、結局ジキル博士はハイドに変身してしまうのを止められないのね〜〜それがもう本能ということなのかしら

原作はもちろん、他の監督の映画や演劇も見てみたら面白そう
俺の汚い部分も含めて全て愛してくれ、というのは自分勝手すぎる。

誰しもが心の中にハイドを秘めているかもしれないけど、だからといって公に出すものではない。
自分が汚らわしいと感じている部分を、なぜ他人が好いてくれると期待するのか。
名作中の名作!!!!!
めちゃくちゃ面白かった!!!!!

おぉ!主演のフレデリック・マーチさんはこれでアカデミー賞主演男優賞をとったんだ!?

ハンサムな紳士 ←→ 醜いモンスター

特殊メイクもだけど、荒っぽい動物みたいな奇行でハイド氏へと変貌を遂げるその様がもの凄い!!!やり過ぎな感じが面白くて笑っちゃう。身体能力の高さw

ハイド氏がヒロインに迫るシーンなんか、本気でゾッとするもん。あの顔でキスせがまれたら失神しそうwww

前回、リメイク版を観たけれど、こっちのオリジナル版の方が良かったな。あからさまな変身が劇的に魅力。

初めてハイド氏に変身する時に世界がグルグル回って悪が呼び起こされるあのシーンもとても良い。

作品全体を通して美的センスもお洒落だった*☆ワクワクする。

古典サイコスリラー『ジキル博士とハイド氏』を観るなら、これを一番初めに観るべきですねっ♪
okappary

okapparyの感想・評価

3.6
原作を読む前に観てしまった名作。

人の理性と本性をテーマに、
真面目で紳士なジキル博士が
「人の本性を現す薬」を調合、
自ら試す。
ジキル博士の本性は「ハイド氏」となり、
醜く野蛮で女性に手をあげる人格が
現れてしまう。

他の方の作品は観ていないけれど、
この作品の良いところは、
モノクロである事だと思う。
色はある意味余計な情報だし、
人物が浮き出ていて良かった。
そして演出が面白くて、
始めの使用人の目線のシーンや、
ハイド氏が警察に追われた時に
彼らの影が走ると壁に大きく
広がっていくシーンなど、
非常に印象的だった。
人間の二面性を研究しているジキル博士が、自らの体を実験台にするうち、真夜中になると別人格ハイドへと変身する体質になってしまう。「宝島」で有名なスティーヴンソンの同名小説を映像化している、サスペンス・ホラー。

自身の科学者脳が破滅的な人生を引き寄せてしまう悲劇。ジキルは温厚な紳士(自我)、ハイドは粗野な男(本能)として描かれており、当時としては斬新な映像技法により精神状態を表現している。

醜い風貌のハイドがハンサムなジキルに嫉妬するというモチーフが面白く、婚約者と娼婦を「女の二面性」へと重ね合わせるのが巧い。娼婦役のミリアム・ホプキンスが小鹿のような脚をアピールするシーンが眼福そのもの。

娼婦がハイドを脅威にしていることの説得力が薄口であり、警察に通報すべきなのに物語の都合上しないところが違和感満点。だが、脳の不思議をホラー視点から捉えた作品の原典であることを考慮すると、重要な位置付けであることは確か。
cinemaQ

cinemaQの感想・評価

4.0
POV映像はこんな時代からあったのか。
様々な技巧溢れる演出が見れて楽しい。
ベッドから垂れる足のエロさよ
ひでG

ひでGの感想・評価

4.0
何度も何度も映画化されてきた有名なお話

題名を聞いただけで、ほとんどの人が
「二重人格!」と答えられるくらいの古典

ここを出発点として、人格分離ものがその後数々作られたんだろうな〜

1932年という映画創設からそんなに経っていない、ちょー昔の作品であるけれど、
歴史的価値だけでなく、85年を超えた今観ても、十分鑑賞に耐えると、いうより素晴らしい演出に見入ってしまう、
時代を超える不朽のサスペンス&ホラー!

今回初めてわかったんだけど、
単に自ら創り出したハイドという第2の人格は、ジキル博士の裏表でもあると同時に、

ジキル博士の現状の中に、つまり、薬を飲まないありのままの彼の中にも、
バイト的な面はかなりあり、内包していたそれらが強調され、現れたという見方ができたのが、とても面白かった。

ジキル博士は、いわゆる成り上がりの学者であり、彼女の婚約者の家からは、
「あんな、どこの出かわからない輩に娘はやれん!」みたいに蔑まされている。

それに対して、彼の内面は如何ばかりたったか。きっと憎しみや反骨精神に支配されていたのではないだろうか。

ある女性にキスを迫られ、それに応じるあたりも、彼の元々持っている非貴族的な面がのぞいた例だろう。

第二次大戦前の映画ながら、
この映画の最大の見せ場、ジキルからハイドへの変化も、いろんなバリエーションで見せ、実に面白く、ワクワクもした!

影や鏡、夜の闇とかすかな明かりなど、小道具や背景の使い方、見せ方も上手い!

何度目かの返信シーンは、後ろ姿が振り返ったらハイド!みたいな場面も、おそらくスリラー映画撮る人たちが何度もインスパイアしたんだろうな。

人は神の領域も侵そうとしている。
ますますそれは進み、世の中に、
ジキルとハイドは、増殖し続けている!

ジキル博士のフレドリック・マーチは
まあ〜なんて、美しいのでしょ!

ジキルは、荒々しい北島三郎にも見えたりして😊
ヒトは誰しも二面性を持っている。
理性と欲望。
人類全員が二重人格者ともいえる。

人間は根本的に醜い欲望の塊で、その表面を理性という抑制剤でコーティングしているにすぎない。

どれだけ輝かしい地位や権力を手にしても、自らが獲得した名誉や名声などの理性が、本来人間が持っている欲望を押さえつける。
そして欲望は、押さえつければ押さえつけるほど大きく抑えのきかないものになっていく。

これを観ると、世間的に活躍している有名人は心にどれ程の葛藤を持っているのだろうと想像してしまう。
芸能人がスキャンダルを起こしてしまうのは、欲望にブレーキのきかなくなった彼らの醜さがハイドになるからだろうか。

作中で、ジキル博士が自らの醜さを理由に彼が犯した罪を逃れようとしたが、神が人間を創造したというなら、その醜さも含めて作ったと言える。なら人間が罪をおかすきっかけを作ったのも神ではないのか。その神に人間の醜さを懺悔するのは検討外れな気もするけれど、無神論者とはいえこんなことを言ったらいつか誰かに刺し殺されそうだ。

これは独り言です。

他の方のレビューにもある通り、二面性を活かしたカメラワークだったり象徴的な物体との意味交換は素晴らしいと思った。

すんごく面白かった。
highland

highlandの感想・評価

3.5
1931年制作。
トーキーの初期なのでやはり演劇的なとこはあるんだけど、視覚的に色々なことを試している。
二面性を扱った映画だからかことに鏡像を使った演出が繰り返し出てくる。ヒロインが鏡を見つめるシーンで後ろから現れるハイドが映る→振り返ったヒロインの実像とか、冒頭の長回しに始まり、鏡をのぞき込む主観ショットとか。
あとは正面バストアップでハイドに変貌するシーン、編集でごまかさずにメイクを工夫して1カットで見せてるのが凄い。
女がベッドで誘惑するシーンで脚が揺れててそれがジキルの頭の中にこびり付く、というシーンで、女の脚をジキルの頭上にダブらせて多重露光で見せる。ほとんどマンガみたいな演出(笑。
ヒロインを襲うシーンで石像を象徴として使う。ハイドを追う警察の影が黒々と家屋の壁に大きく映りだされて動く、とか。シーン転換のワイプが何故か時計のような斜めワイプからの分割画面。列挙してしまったけど各シーンごとにバラつきがあるが色々な演出を探っている。

それにしても(原作通りなのだが)あっさりとした終わり方で、救いのない話だ。どっかしらにテーマの重点を置いてくれればいいんだけど。
2018/04/27
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