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サラの鍵の福福吉吉のレビュー・感想・評価

サラの鍵(2010年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
パリに暮らす記者のジュリアは1942年に起きたフランス警察によるユダヤ人迫害事件の記事を書くことになり、調べていくうちに自身が移り住む予定のアパートが元ユダヤ人のものだったことを知る。ジュリアはそのアパートに住んでいたユダヤ人の少女サラの人生を追いかけていく。

◆感想◆
1942年にフランス警察により強制的に収容された家族のストーリーと現在の記者のジュリアのストーリーが並行して展開し、最終的にそれが一つの真実に結びつくストーリーとなっており、過去の経過が現在、そして未来へとつながるメッセージとして強く印象づけていました。

ユダヤ人のスタルジンスキー家は突然やって来た警察により連行されようとするのですが、姉のサラは弟のミシェルを助けるべく納戸に弟を入れて鍵を閉めて警察の捜査の目を逃れるのですが、サラと両親はそのまま連行され、ミシェルは出られなくなってしまいます。この時点で嫌な予感しかなかったです。連行された場所で非人道的な扱いで監禁され、そのまま収容所へ送られます。サラは必死に弟を助けるために家に帰ろうと図るのですが、これがもう悲しくて仕方なかった。

一方、現在のフランス、記者のジュリアは引っ越し先のアパートが元ユダヤ人の住居、サラの家だったことが判明し、サラの形跡を追います。サラのストーリーがかなり重いので、現在のジュリアのストーリーが良い息抜きになっていて、バランスがとれていたと思います。

サラの人生の後半(成人したサラ)はジュリアによる調査によって描かれていき、前半の過酷なストーリーと比べ、観やすくなっていました。サラの人生を描くとともに、記者のジュリア自身の人生もしっかり描いており、真実を知ることの是非を含め、とても良い構成になっていたと思います。

とても良かったと思います。フランス警察がユダヤ人に行った迫害行為を本作で初めて知りました。

鑑賞日:2023年12月18日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2022年12月4日)
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