寺基千里

アメリの寺基千里のレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.2
前髪パッツンで赤いニットを着たアメリが微笑んでいる写真がずっと気になっており、いつか必ず観ようと思っていた映画だった。
子供の頃から友達とは遊ばないで妄想ばかりしていたアメリが、大人になり、偶然見つけた宝箱を持ち主に返そうと決意した事をきっかけに、今まで関わってこなかった外の世界に触れていく。その中で捨てられた証明写真をコレクションするニノと出会い、恋に落ちていく物語。
あまりこういったオシャレで可愛いらしい映画は観てこなかったので面白いのかなと思っていたが、全くそんな事はなく、すぐにアメリが作り出す可愛らしい世界観に引き込まれ、あっという間に物語に夢中になっていた。大人になったもの妄想癖やイタズラ好きなど子供らしさを失わないアメリが愛らしく感じた。人を馬鹿にしている八百屋に腹を立てた彼女が彼の部屋に忍び込んでお返しをしたり、マンションの未亡人のために夫からの手紙を偽造して喜ばせたりと時に笑わせ、時にほっこりするイタズラをするアメリのキャラクターがすごく好きだ。
またそんな彼女がニノに恋をするも、恥ずかしくて正面から向き合う事が出来ない思春期の少女らしさにも可愛らしく、少しずつ大人の女性への階段を上っていくような展開も良かった。
ただ、もう少し映画自体短くても良かったのかもしれない。後半まではテンポ良く進んでいたが、アメリがニノと出会うまでの展開がまどろっこしく、少し長く感じてしまった。もう少しテンポ良くアメリとニノが出会っても良かったのではないか?と感じた。
普段は観ないタイプの映画であったが予想していた以上に世界観に引き込まれて、アメリの可愛らしさに夢中になる事が出来た作品だった。
寺基千里

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