アメリのまるかわのレビュー・感想・評価

何が描かれているかと同じ位、世界を何色で描くかが重要であるという点で、絵画に似ている。
この映画で目立つ色彩は、緑、赤、オレンジ色である。例えば地下鉄の駅は、リアリズムを重視する映画ならば、くすんだ灰色で表されるだろうが、この映画では、強烈な緑色に輝いている。登場人物の衣装も、通常ならばある範囲の色彩におさまるだろうが、この映画ではほとんど、赤か緑なのである。私は、緑は「潜在性」を示す色であると思う。例えば緑の植物が、花を咲かせる生命力を温存させているように。