テクニカラーのマッチョ

激闘のテクニカラーのマッチョのレビュー・感想・評価

激闘(1942年製作の映画)
4.5
叔父によって無理やり引き取られた貴族の遺児。叔父は彼を奴隷の馬丁扱いしムチを打つ。やがて逃げだし密航のうえ流れ流れて南海の島へ、という冒険映画。
ジョン・クロムウェルは「ゼンダ城の虜」の監督だから、これは得意なジャンルでしょう。叔父の娘つまり従姉妹と南海の女という二人のヒロインを配し華やかさアップ。陰険な叔父に虐げられる子役時代と青年期はイギリス文学風。原作は20世紀のアメリカ人なのであくまでも風。逃げだして南海の島にたどり着くと島の生活がパラダイスすぎる素敵。当時最高峰の絶世の美男美女が楽園でイチャコラするのを見る眼福。
というわけで主演タイロン・パワーの美貌と肉体美。シャツを脱いで背中のムチあと見せつけるのセクシーすぎる。ツルツルピカピカ美男すぎる1930年代も過ぎ、良い感じに大人の雰囲気が漂いながらまだまだ美男で魅力たっぷりのパワー。
一方、映画史上最もカメラに映える美貌の女優ジーン・ティアニーが南海の女に扮してビキニトップでお腹を出してポリネシアンダンス集団の真ん中で踊る!なんという映画的快楽。そんじょそこらの女優じゃないんだジーン・ティアニーなんだぞ!
心優しいお祖父ちゃんハリー・ダヴェンポート、酒場女エルザ・ランチェスター、相棒ジョン・キャラダインなど脇キャラクターも魅力的。子役時代はロディ・マグドール。当然叔父のジョージ・サンダースは憎々しい存在感。もう一人のヒロインである従姉妹はフランシス・ファーマーでティアニーと共に映画史上最も不幸な神話的女優が同じ映画に出ている。顔を合わせるシーンはないけれども。
「ゴールデン・コンドルの秘宝」は本作の軽いリメイク。