かずね

愛のむきだしのかずねのネタバレレビュー・内容・結末

愛のむきだし(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

数年ぶりに鑑賞。宗教と性のガンギマリ映画。

満島ひかり、安藤サクラもかなりすごかったけど、西島隆弘はアイドルとは思えない怪演っぷりだった。これを観た後にNissy名義の"まだ君は知らない MY PRETTIEST GIRL"とか聞いて「????」ってなった。AAAファンの間でこの映画がどんな扱いなのかが気になる。

「僕は君が神を求めるなら釈迦でもマホメッドでもキリストでもいい。でもあのゼロ教会のことだけは聞いてくれるな。あれは釈迦でもマホメッドでもキリストレベルにもいない。ただの嘘つきだ!」というユウの台詞があるけれど、それが信じるに足る宗教かどうかは他人が決めることではないと思った。そもそも三大宗教とゼロ教会の違いは歴史の長さくらいのものだし、時代が新しくなったのだから新しい宗教が出てくるのはおかしなことではない。「新興宗教」というとどうも怖いとか胡散臭いとかそういうイメージが付き纏うけれど、実際はゼロ教会の何がそんなに悪いのかと思った。少なくともユウがヨーコを説得しようとする海辺の場面までは。実際、信者は清く正しい生活を送っていて、笑顔と希望に溢れている。そこに持っていく過程を「洗脳」と呼んでいるけれど、その言い方をするなら宗教はどれも程度の差はあれ洗脳だと私は思う。物語終盤でゼロ教会が崩壊したとき、詐欺行為だったり拉致・監禁だったりがあったことが報道によって明かされるから、結果的にゼロ教会はやっぱり「怖い」「胡散臭い」新興宗教なのだけれど。

ゼロ教会の聖歌がゆらゆら帝国の空洞ですなのがヤバかった。教会の中でたくさんの信者がアカペラで空洞です歌ってるの面白すぎる。そこが1番怖かったし1番笑った。

ユウがヨーコに首を締められたときに血の涙を流すのは"血の涙を流すマリア像"を意識しているのかなーとか、実の母親とヨーコ両方にマリア様が重ねられているけど、初期キリスト教の時代から聖マリアはキリストの母であり、妻であり、娘であり、女性のステータスを一身に背負う存在だった、みたいなの読んだことあるなーとか、色々考えながら観られて面白かった。また観たい!
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