lingmudayan

思ひ出のlingmudayanのレビュー・感想・評価

思ひ出(1927年製作の映画)
3.5
新宿東口映画祭にて、弁士(澤登翠氏)と生演奏付きで鑑賞。ラモン・ノヴァロがノーマ・シアラーの家を初めて訪れる場面、シアラーがノヴァロに説明しながらウロウロと歩く動きを長回しで捉えたショットが彼女のテンパり具合と誠実さを表していて良い。2人が池でボートに乗るシーンも勿論良いのだが、ノヴァロがシアラーと馬車に乗るシーン、ノヴァロが国王となった後でハイデルベルク時代を思い出すシーンは演出が凝っていて、それはこれらのシーンがノヴァロの妄想であることと関連している。ノヴァロがシアラーと気持ちを確認するシーンの箱庭のような星空と草原、そして彼女が家に帰るのを背後から見送る動きは、彼がハイデルベルクを再訪するシークエンスで差異を付けつつ反復される。
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