思ひ出の作品情報・感想・評価

「思ひ出」に投稿された感想・評価

smmt705

smmt705の感想・評価

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皇太子カールが青年になってもずっと可愛いし、家庭教師との関係がとっても微笑ましい!(最初の出会いでのボール遊びや、試験中のカンニングを誘導したり、枕投げを全力で一緒にやったりね!)そしてハイデルベルグの、ある宿屋で出会う娘カティが、はつらつと美しい!カールがお酒を飲みまくるシーンは本当にかけがえないね。まさか次に来る時にはまるで違う街みたいになっているとは…悲しいね。カティとカールが花畑にいるシーンが、喜びと悲しみを描いているのがとても印象的だし、お互いに結ばれないと分かっていながらも、ちゃんと挨拶して別れるという、とても気持ちの良い別れはこの手の話でなかなかないような気がする。すごく美しい映画だった。
エルンスト・ルビッチ監督作品。
ザクセン公国の皇太子カールは、世間と隔絶された城での生活に嫌気がさす中、ハイデルブルグで生活することになり、下宿屋の娘カティと出会うが・・・という話。

『ローマの休日』の男女逆バージョンみたいな話だった。世間の人が「皇太子っていいもんだろうなー」と言っている中、世間と隔絶され孤独を味わう主人公。幼少期のボール遊びのシーンが可笑しくもあり、寂しさを感じさせた。その寂しさの中での、家庭教師ユトナー先生との関わりが心暖まるものだった。

そして城を出てハイデルブルグでの生活をした時の学生たちと交流できた時の開放感。ハイデルブルグでの生活の後の城に戻って王として生活する寂しさ、その中でもハイデルブルグで過ごした時の思い出が染みる。『思ひ出』という邦題がいい。

画面内に人数が多く映るというスペクタクルな要素だけでなく、カメラがかなり動いて演出面でも面白さを感じた。
RyoS

RyoSの感想・評価

4.0
ヒッチコックだったような気がするが、サイレント映画がやっと完成したという時にトーキーがやってきて、また一から作らなきゃみたいな話を聞いたことがあるが、まさにそのサイレントにおける完成形だと思う。

冒頭の民衆が帽子取るシーン、行動の主体ではなくそれに反応する側に注目するという本質がすでに見て取れる。映像的おかしみ+婉曲な表現という観る者の心を開始3分でぐっと掴む。

ボール遊びのシーンでも、家庭教師がボールを蹴る、たったそれだけの行為が意味するところの豊かさが、その浮き上がるビジュアルと相まって観客の心に伝わってくる。

人海戦術の巧みさもあるが、視線の演出、表情、カメラワークどれもが丁寧で洗練されている。
takandro

takandroの感想・評価

4.0
泣ける。皇太子が田舎で友達たちとドンチャンやってるの最高。皇太子が壁を乗り越え、彼女を追いかけるところの横移動良かったな〜
別れなければならない男と女の涙には泣いた!
でも何より先生!やはり見るべき背中を追えば、その人となりが出ると。血よりも勝るもの!
ノーマ・シアラーがビールジョッキを両手に抱えて学生たちの間を駆け抜け、その後イッキ飲みするのが超楽しそうだった。皇太子ラモン・ノヴァロもそりゃ惚れる。夜の花畑の風とか馬車上のキスもすごいなー。帽子も良い。外野の「皇太子→王様ってのはいいもんだろうね」の反復。切ない~
Jimmy09

Jimmy09の感想・評価

4.8
深川江戸資料館での「無声映画上映会」(3本立て)で鑑賞。
弁士は澤登翠さん、ギター生演奏付きという最高の鑑賞環境で、傑作映画をスクリーンで観る至福の時間😊

エルンスト・ルビッチ監督作品の中でも数少ない未見作だったが、まさか弁士付き上映会があるとは思わなかった。
また、弁士さんがいらっしゃるので、上映されたフィルムに日本語字幕は無し。

映画も、ルビッチ・タッチが効いており、観ている間ずっと、登場人物と一緒に喜んだり、寂しがったり…と心揺れる映画であった。

ある王様のいる国に、王様の甥が後継者として召喚される。ただ、まだ子供なので、他の子供達のように外で思いっ切り遊びたいところ。そんな彼と親しくしてくれるのが、ある彼専属の教師。城の中で一緒に楽しく過ごす。
そして、形だけの「高校卒業面談試験」を受けた王子は、晴れて大学生となり、よその町へ行って初めての自由な生活を送ることになる。そこで出会った娘とも相思相愛となる。
そして、二人を中心にした幸せな大学時代を送る王子の姿が丁寧に描かれていることもあり、王様の危篤で城に戻らなければならない寂しさ…。
胸がキュンキュンする気持ちが沸き上がる。
そして……💗😭

サイレント時代のルビッチ監督、素晴らしい作品だった。
雪

雪の感想・評価

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澤登翠さんの活弁つきで見ました。
無声映画ってほとんど見ないからわたしが知らないだけかもしれないけれど、字幕のフォントや字のサイズがかわっていったり、新聞、手紙、肖像画に添えられたキャプションが物語の説明になっているの初めて見た。とても効果的でおもしろかった。ミュージカルでいうintegrated musical的な感じなのかな?全体的に古いメロドラマだし作りが分かりやすい、なのにかなり泣いてしまいました。国王を取り巻く民衆、お酒を囲む学生、みたいな大衆の描き方が良い。
洋画あまり詳しくないけど好きな監督はと聞かれたらルビッチと答えると思う。
2014/12/27 ~ 2015/01/30 映画史上の名作12
イシ

イシの感想・評価

3.5
涙涙涙
心優しく気の弱い主人公のプリンスと、生徒思いのお茶目なおいちゃん先生とのやりとりが可愛い。
先生が最後に一度だけプリンスに嘘をついて、そのまま自分も彼に会えなくなって、、とか、村娘とプリンスとのラストとか、胸に染みるところがたくさんやった。
主人公は優しいプリンスのままでずっと居てくれたかなあ。
完全サイレントの
ルビッチ作品。

王子から滲み出る
品の良さ、
人間性の良さ、
まっすぐ優しく
育った感じが
物語を引っ張ったと思う。

気さくな家庭教師だけが
良き理解者だった幼年期。

そんな中、ひねくれる事なく成長し
青年となった王子は、
学生の街で友情と恋を手に入れる。
人生の春を謳歌する。
永くは続かないけれど。

彼の背負った宿命は、孤独だ。

王子って良いものなんでしょうね。

時折挟み込まれる
人々が無邪気に発するその言葉は、
人知れず彼が孤独であることを
観る側にしっかりと植え付ける。

短くても春が持てて良かった。
思ひ出はきっと彼を支えてくれる。

鑑賞後、そっと思った。
名作は音がなくても名作だなぁ、と。
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