文部省推薦の東宝映画なのに現在発禁という曰く付きの作品。
世界が終わりを迎える様を岸田今日子の冷ややかなナレーションと冨田勲の浮遊感漂う音楽が後押しする。
劇中で終末に向けて世界で様々な異常現象が発生していくが、日本でオゾン層の破壊により空に反転して映る東京のビル群、渋滞した首都高での車両連続爆発など、当たり前だった筈の日常に侵食してくる終末感は、震災を経験した現代の日本人にはそう遠くない感覚だろう。
個人的に1番印象的だったのは悲観した若者たちが集団自殺する場面。みんな笑顔で「じゃあな!」と言い合い(←ここは正しいか記憶が曖昧)、その後バイクに乗り崖から次々に飛び降りる様がスローモーションで描かれるのだ。冨田勲の音楽も相まって恐ろしくも終末の美と言う物を感じてしまった高1の夏。