たまちゃん

愛を読むひとのたまちゃんのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
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バスの中で具合の悪くなった少年マイケルを助けてあげた、かなり年上の女性ハンナ

2人はお互いに強く惹かれ合う。
少年にとって大人の女性との恋、初めてのSEXは我も忘れるほどに溺れていく

親や友達よりも彼女との時間を大事にしたい、なのに怒らせてしまう、なぜ?
僕が貴方を思ってるくらい、貴方も僕を思ってよ。
ただSEXしているだけでなく、本を読み聴かせる時間を作ることで、2人の時間はかけがえのない濃密なものになっていく。
しかしハンナはある日突然マイケルの前から消えてしまう

旅行の地図やメニューが読めなかったり、事務の仕事に変われと言われて苛ついたり、彼女が文盲である事は、だんだんと察しがつく

後半は残酷
彼女が文盲である事を訴えでれば、彼女の罪は軽くなるのに、それを隠そうとしている彼女のプライドを守るため訴え出ない。きっと彼女はそれを望んでいないだろうと。
ハンナの人生は辛いものだったに違いないが、苦悩だけで言えばマイケルの方もかなり辛かったに違いない。
テープを送り続けるマイケル。
それは愛だったのかな。変わらぬ愛だったのかな。

ハンナがなぜ文盲だったのか、なぜ看守になったのか、明らかにされていないので、彼女のそこに至る半生は想像するしかないが、少なくとも文盲だったのは彼女ひとりの責任ではないはず。
親戚、知人はおらず、彼女に最後まで寄り添ったのがマイケルだけだった事を思えば、彼女の人生の孤独は計り知れない。

もし彼女が文盲でなく教育を受けていれば、
少年と関係を持つ事もなければ、
看守になることもなかったんだろうか?

マイケルは娘に墓前で二人の物語を語るんだね。
とても悲しく切ないお話だった

ケイト.ウィンスレットはアカデミー賞主演女優賞  とても素晴らしかった。
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