少年の気持ちを思うと胸が痛くなった。
15の少年を誘惑してはいけない!それは一番強く思う。
二度目の出会いが不幸過ぎた。これがなければ、ここまで長い間、マイケルも苦しまずに済んだかもしれない。
大人になったマイケルを見ても、少年のマイケルに見えて、胸が苦しい。ここまで影響を与えるからこそ、10代を誘惑してはいけない。
誘惑したハンナを許せない気持ちと、少年を好きになってしまったのなら、仕方ない気持ちと交錯した。
しかし、ハンナの愛はそこにあったであろうか。ハンナの心と身体の隙間を一時埋めただけではないだろうか。非識字者なのに事務職に昇格してしまった為、逃げるように生活を変えるまでのほんの一夏のことでしかなかった。
尊い愛の話ではなく、性犯罪の話とも思う。
ハンナもコンプレックスの塊で、複雑な精神衛生状態があったであろうが、罪悪感もなくホロコーストでした事と同じく、罪悪感もなく少年にした行為は到底許されないと私は思った。
最後まで「坊や」って、バカにした感じと、故に上から目線で支配的な感じがして良い気分ではなかった。
あの夏、少年マイケルは本当にハンナが好きだったんだと思うと、苦しくて号泣した。