Saaaae

愛を読むひとのSaaaaeのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.2
ドイツの文化という授業で『アウシュビッツは終わらない』と言うプリーモレーヴィ作の本を読んでいたのでこの時代背景やナチスの様々はよく理解できた。
最初の恋愛をおしだしたシーンから一変後半は重たい内容が続く。ハンナはなぜSSになってしまったのか…彼女の無垢さ無知さ故に状況はどんどん悪くなってしまう。
字が読めないことを知り、でもそれを彼女には伝えることなく、ひたすらに文学を読むことで彼女を思ったマイケルの気持ちはきっとハンナに深いところで伝わったと思う。
2人の恋は決して幸せなものではなかったがお互いに苦しみと同時に豊かさをもたらしたのではないか。
最後マーサが、缶はとても役にたつものだったのでというシーン。配給の薄いスープをすくう際などに重宝したため、盗み合いになったと先述の本に書いてあった。無邪気に大切な宝物を仕舞うような缶は、戦時下では生きるための道具として奪い合いになるようなものに変わっていた…。戦争が何もかも変えてしまった。娘に話すことでマイケルの心が少しでも解けたことを願う。
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