PP

ツレがうつになりまして。のPPのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
3.4
私が小学生のとき父がうつになって、家の外に出られるようになるまでに4年かかった。
もうこのまま一生何も変わらないんじゃないかと思うほど長かった。

「うつになった原因ではなくて意味を考える」
今だからこそ共感できる言葉。
当時の私もなんとか置かれた状況に理由づけして前向きに捉えようとした。でも、やっぱりできなかった。
いくら止まない雨はないと言われても、今降ってる雨に耐えられなかった。神様なんかいないんじゃんって絶望した。
いつか終わりが来るなんて想像すらできなくて、毎日が同じことの繰り返しのようだった。

今だからこそ言える。
明けない夜はない。
明けたからこそ、心からそう思える。

あのときの私は、なんで私の家族だけって思っていたけど、それは違うってことに気づいた。
みんなそれぞれ何かしら抱えてる。それでも平気な顔をして生きている。それぞれの生活をきちんと営んでいる。それがどれほど難しいことか。大変なことか。有難いことか。
朝起きて、電車に乗って、仕事して。
当たり前かもしれないけど、これはほんとうにすごいこと。

この映画を観ながら、お父さんもこんな風に1人で泣いてたのかな、死にたいと思ってたのかな、と考えずにはいられなかった。私もつらかったけど、お父さんはもっとつらかったんだろうなあ。
まだお父さんから見たうつの時のことを聞いたことはないけれど、いつか聞けるといいなあ。
PP

PP