Ayumi

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のAyumiのレビュー・感想・評価

4.0
賢者の石、秘密の部屋から監督が変わって、映画の雰囲気もガラリと変わったのがアズカバンの囚人。個人的には1、2の雰囲気の方が原作のイメージに近い感じがして好きなんだけど、アズカバンの囚人には別の魅力がある!!

ガラリと変わった要素としてはまず衣装。ローブ、ネクタイなどの制服一式、杖は今作で一新される。一人一人違った制服の着こなしをしてるのは今作の見どころの一つ(私的にツボだったのはシェイマスのネクタイの結び方。あの短さは何??笑 イギリスの学生の中で流行ってたのかな…。)加えて今作からパーカーにジーンズといった現代の普通のティーンエイジャーと同じような服をハリーたちが着るようになる。この点に関しては、私個人としては原作に従って欲しかったかな(原作では魔法使いの服装とマグルの服装は完全に分かれてる設定。)ただ、現代のティーンエイジャー達が魔法界をより身近な世界として観れるという意味では、映画にするにあたっての良いアイディアだなと思う!

2つ目はホグワーツの構造。これは単純に今まで実在してる大聖堂やお城を使って撮影してたのが、映画用のセットで撮影出来るようになったってことだと思う。1、2まで色々な場所で撮影してたのもあって曖昧だったホグワーツの全体像が今作ではっきりした感じがするし、今作以降はブレることなくシリーズが進んでいくんだと思う(今見返し中だからはっきりとは言えないけど)。それから、映像の進歩の影響もだいぶある気がするな。お城の中の動く絵とか、暴れ柳とか前作、前々作よりリアルになった。

3つ目はストーリー面での原作からの変更の度合い(良い言葉が見つからなかった)。賢者の石、秘密の部屋は原作そのままのセリフ、そのまま再現したシーンが多かったのに対して、アズカバンの囚人は変更されてる部分が多い。物語が進むにつれて一冊ごとの情報量が増えていくから、そもそもアズカバンの囚人を映画一本に収めようというのが大変なこと。ましてや今までにないタイムリープ、親世代の話などが含まれている本作の全部の情報を映画に入れるのは到底無理。そんなたくさんの情報の中から、ストーリーの本筋に関わる大事な情報を精査し必要なら変更を加え、映像として面白いものに仕上げた製作陣の方々には拍手を送りたい👏👏👏👏👏ただただ原作に沿うだけじゃなく、映画として楽しめるように工夫された変更点は、マイナスというよりはむしろプラス点!特にタイムリープのシーンは、原作にない要素が入ってるおかげで映像としてグッと面白くなってると思うし、映画だからこそできる時計の中をすり抜けていくような映像(伝われ)は私もこの映画の大好きな演出の一つ!ただ、原作には映画に入りきらなかったストーリーがたくさんたくさん詰まってるので、皆さんぜひ原作をご一読下さいお願いします!!!特に映画だけだとムーニー、パッドフッド、ワームテール、プロングズの話が分かりきらないと思うので…

1、2との比較はこれぐらいにしてここからはアズカバンの囚人の見どころの話(やっと)!まず、ロンハー、ハリハー要素を散りばめてくれたことに大拍手👏👏👏👏👏バックビークの処刑の音を聞いて、普段は抵抗しちゃうハーマイオニーが無意識にロンに抱きついて(ロンも抵抗しない)、そのハーマイオニーにハリーが優しく寄り添うっていう図が最高すぎて何回も巻き戻した。それから、ルーピンに襲われそうになってもうダメだってなった時、ハリーがハーマイオニーに覆いかぶさって自分を犠牲にしようとするシーンも尊すぎて大好き。その後「怖かった…」ってハリーに寄りかかるハーマイオニーも可愛すぎる。私はハリハーが大好きなんだが、それはこの2人にはロンハーでは起こり得ないことが起こるから。ロンハーよりハリハー!とか言ってるんじゃなくて、ロンハーの尊さとハリハーの尊さは絶対的に逆方向なの。お似合いなのはどう考えてもロンハーだし、恋愛関係になり得るのはどう考えてもロンハー。結婚するのはロンハーだし、実際結婚したのはロンハー。ハリーとハーマイオニーの間にあるのは恋愛感情ではなく、友情から来る愛。だからこそ彼らはお互いに意識して抵抗するようなことなく、抱きしめたり、寄り添ったり出来る。それが尊いという話です。うるさくてごめんなさい。ちなみに私はジニハリ信者でもあるので、ハリハーが恋愛関係になって欲しいなんてこれっぽっちも思ってません。

そして最後に、なんといってもこの映画は俳優陣が素晴らしい!!!特に今作から登場の、シリウス、リーマス、トレローニー先生がすごい!!原作のキャラクター達がそのまま本から飛び出てきたようなクオリティ。トレローニー先生の不気味な喋り方にはゾッとしたし、リーマスの優しさには思わず涙が出そうだった(映画中に書いたメモには「リーマス❤️❤️❤️」って書いてあった)ゲイリーオールドマンのシリウスは、狂気と内に秘める寂しさみたいなバランスが最高で、特に叫びの屋敷のシーンは鳥肌が立った。ここまで色々書いてきたけど、前作、前々作は世界観が魅力的だったのに対して、アズカバンの囚人はキャラクターそのものの魅力に溢れてる作品だと思う。だからこそこの作品は多くの人に愛されてるんだろうな!

I solemnly swear that I am up to no good!
Ayumi

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