ラジオ子ちゃん

ワイルド・マン・ブルースのラジオ子ちゃんのレビュー・感想・評価

ワイルド・マン・ブルース(1997年製作の映画)
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「功労賞をもらうってどんな気持ち?」

『そりゃ悪い気はしないけどさ
本気でそんなものに意味があるとは
思えないからね
傑作を作ったから受賞したとは考えにくい
だって根回しなんて簡単なんだよ
"あいつにはやるな"と
誰かに言わせるのはね』

「何度も受賞してるのはいい作品だからよ
ちゃんと評価する団体もあるわ」

『黒澤は受賞した
ベルイマンもだ
なぜフェリーにが受賞してない?
文句はつけたくないが
自分がフェリーニ以上の作品を残せるとは
思わないよ』

周りだけが騒がしい様子が
スターダストメモリーを彷彿とさせる。
そんな中、スンイーが好きなウディ作品はマンハッタンなんだって。
なんとも痺れる。
インテリアは退屈で寝たと。これは同感。
そしてアニーホールだけ、なぜかみてないんだって。
ウディ曰く、ダイアンとも仲良いし、ぜったい彼女向けなのにって。

ところどころユーモアで返すウディをみつめるスンイー。
スンイーをみるウディ。
それだけでお腹いっぱい。

最後、ツアーが終わって
NYの実家にお土産を渡しに行く。
両親は薬剤師になればよかったとか言う。
皮肉屋ウディの誕生が目に見えて想像できるいいラスト。
スンイーの前で、平気でアジアの女性と交際を反対する母親。
「わたしはユダヤの人と結婚して欲しかった」
ウディ『これは地獄の昼食だ』