leyla

灯台守の恋のleylaのレビュー・感想・評価

灯台守の恋(2004年製作の映画)
4.3
ニャンコ目当てに観たら、奥深いストーリーで引き込まれました。ジャケのシーンもあるけどイメージとは違います。

“不倫もの”という言葉ではくくれない。
誠実味があって、男の友情もあって、お仕事ムービーでもあって、閉鎖的な島の話でもあって、アルジェリアとの戦争のエピソードもあってと、幾重にもなる内容がすっきりと無駄なく演出され、とても深みがありました。

シチュエーションが素晴らしい。海の中に建つ灯台で二人きり、過酷な仕事をこなしながら、同じ女性を愛した男が2週間ずつ生活を共にする。そこで芽生えた友情が心を打ちます。

でも、恋も友情も決して熱い描き方ではないんです。だから一度だけの愛の衝動に想いの深さを感じることができたし、友情にも嘘が感じられなかった。大人の描写です。

そして、猫が素晴らしい。人懐こくて可愛いバンコ(将軍)という名の猫。いい役者でした。

荒海と灯台と猫と花火と。
雰囲気の良さは、監督のセンスと誠実な人柄から来るものだと感じました。
leyla

leyla