ちんねん

YOYOCHU SEXと代々木忠の世界のちんねんのレビュー・感想・評価

YOYOCHU SEXと代々木忠の世界(2010年製作の映画)
4.0
濱口竜介、カサヴェテス、ケア系のドキュメンタリー、に興味のある方には代々木忠のAVは一度ちゃんと見てみることをオススメしたい。

人が素直になる瞬間、例えば涙を流して喜ぶところを芝居ではなく捉える映像がどれだけ観る人をも救うか、そして問いを突きつけるか。そしてそれがどれだけ稀有か。
代々木忠作品においては、
登場人物の文脈は劇映画に比べるとわかりづらいところはあるが、
素直さというか、”その人性(その人らしさ)”が圧倒的に出ているように思う。それによって観る人も救われる。
言い換えると、
文脈の中で変わっていく人物とその物語、というよりは、対話と声かけを中心とした真摯な演出によって高まっていく(ないし葛藤が露わになる)女性と男性のドキュメンタリーであり、ポートレートであると言えるだろう。

AVであれドキュメンタリーであれ、人がある種の変性意識状態にあるところを捉えた長回しは、本当に映像の力が一番出るところだと思う。



ところでこのドキュメンタリーは代々木忠の概歴と作品紹介を非常に丁寧に紹介している。
同時にAV、アダルトビデオ業界の概観ともなっている。
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