TomokiHayashi

YOYOCHU SEXと代々木忠の世界のTomokiHayashiのレビュー・感想・評価

YOYOCHU SEXと代々木忠の世界(2010年製作の映画)
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”やっちゃうと、作品に力が生まれない”

ロマンポルノからアダルトビデオへ移行した直後は、あくまでショーであった映像における性行為がドキュメンタリーとしての色を帯びていたが、それがSODの登場によって再度ショーという形になった。
このドキュメンタリーとしての性行為を、紛れもなく記録した代々木忠の功績は大きい。
本作はマジものの元ヤクザという出自でありながら、ときに精神科医のようなカウンセリングを行い、ときにチャネリングのようなオカルティズムの手法を用いて、俳優・女優の内面(情)を引き出すことにこだわる彼自身のパーソナリティに焦点が当たっていく。

個人的には、(ハードコア・)ポルノと表現の自由については昔から関心があり、日活ロマンポルノが猥褻図画公然陳列罪容疑で起訴された裁判は非常に興味深かった。宮崎勤事件等を経てもなおポルノ作品は芸術としての力を持ち得るか。持ち得るならそれは何ゆえか。代々木忠の作品によって少し分かるかもしれない。
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