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ロード・オブ・ザ・リングのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

再観賞(2020.08.)

舞台は『中つ国(なかつくに)』…人間、エルフ、魔法使い、ドワーフ、ホビット族などが共存する世界。かつて世界を支配出来る指輪が存在し、災いの指輪とし長年闇に葬られ忘れ去られていたが、ホビット族のビルボ・バギンズが冒険中『指輪』を拾ったことから物語りが動き出す。

様々な種族…特に欲深い人間が指輪の支配力に魅せられ欲しがりますが、過去の教訓もあり『災いの元は捨てるべきだ』と種族間で揉めます。皆が指輪の魔力に怯える中、事情を知り一番無欲であるホビット族ビルボの甥・フロド・バギンズ(イライジャ・ウッド)が『滅びの山』まで指輪を捨てに行く旅を決意するんですね。

しかし、指輪の存在が明るみになった事で、指輪を我ものにしようと嘗ての持ち主であるサウロンを筆頭とする闇の存在も動き出します。悪が世に放たれた危険な旅路、フロド一人では心許ないと、人間からはアラゴルンとボロミア、魔法使いのガンダルフ、エルフのレゴラス、ドワーフのギムリ、ホビットのサム、ピピン、メリアドク…の9人が旅の仲間となり『滅びの山』を目指すことになるのですが…。

種族を超えた友情や絆を描き、様々な問題を乗り越えながら進める旅路の中身が、なかなか深いんですよね。人生の普遍的哲学というか、胸アツな台詞やドラマがてんこもりです。
監督のピーター・ジャクソンが、原作に惚れ込んで撮ったというのも納得の細部への拘り。壮大な世界観の造り込みや戦争描写もCGを駆使し圧巻なのです。
もう20年前の作品になりますが、今観ても色褪せないファンタジー映画の大傑作です。

原作は日本のRPGゲームの元にされているとパンフに書いてあった記憶ですが、ゲーム好きな人は馴染み深いストーリーだと思うし、友情もの、恋愛もの好きな人にも充分楽しめる要素があるので、一見の価値アリの映画だと思います。

今作は世界観や人物説明、物語の起承転結で言う起に相当しますが、続編の『二つの塔』『王の帰還』の盛り上げが凄まじいです。長いんですけど、このドラマチック展開を味わいたくて年数回ぶっ通しで観ちゃいます。


次作から、離散した旅の仲間はそれぞれの視点から描かれていきます。種族それぞれの特性…主に人間の国の歴史的因縁や対立そして再生の物語としても見応えありますし、不死の民エルフの死生概念や長閑な民ホビットたちの、ふとした郷愁なんかは、自分に置き換えられる感情でもあったり、『指輪』を捨てに行くフロドを支えようとする皆の友情、闇のチカラから中つ国を護ろうと一致団結していく世界の姿は熱くさせるし感動的です。

人間で王位継承者のアラゴルン(ウィゴ・モーテンセン)と、不死の民エルフのアルウェン(リブ・タイラー)の種族を超えたロマンスの行方も見所ですね。


※ちなみに、指輪を拾った冒険好きなビルボは『ホビットの冒険(3部作)』の主人公だったりします。

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