いのしん

フレフレ少女のいのしんのネタバレレビュー・内容・結末

フレフレ少女(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

本の中の恋愛にしか興味のない百山桃子(新垣結衣)が野球部の大嶋秀樹に出会い一目惚れ。直近に迫った野球部の練習試合に出場する大嶋を応援したいという不純な思いで応援団に入団するも、部員はもともといた山本龍太郎(永山絢斗)と急遽募集して集まった遠藤譲二(柄本時生)、大坪泰平(斎藤嘉樹)、田村晃(染谷将太)の3人。鍛錬を積んでいるわけでもなく、当日の練習試合で校旗を倒し野球部に迷惑をかけてしまう上に、期待の新人・大嶋が不知火学園に転校してしまう。
そんな中、OBの柳原源蔵(内藤剛志)が合宿の提案をしに応援部のもとにやってくる。OB達のスパルタ合宿を通して応援とは何かを仲間と考え、応援に魅了され、改心した5人は、合宿後の学校生活でも熱意と気合いのある応援で運動部を優勝に導いていく。練習試合からずっと応援部を煙たがっていた野球部も、応援の力により予選ベスト8、ベスト4、と駒を進めていく。
そして迎えた決勝。相手・不知火学園に勝てば甲子園出場という場面でチアリーディング部と吹奏楽部を巻き込んだ応援が始まる。1回表で2点をとられ、2-0で劣勢のまま迎えた9回裏。応援の力で最後のバッターがホームランを打ち、櫻木高校は逆転勝利となった。
廃部寸前だった櫻木高校応援団が再生し、最終的に野球部からも不知火学園からも認められるようになるまでの、応援団にフォーカスした物語。
良かったのは、5人が合宿中に「応援される側が頑張っているから、応援する側はそれ以上に頑張らなければならない」と改心するシーン。確かに的を射ている気がした。
また、応援団団長会議のシーンで「大嶋に恋して応援団に入団したのではないか、恋文まで送っていたという噂もある」と桃子を指摘する不知火学園の団長に対して、「噂や憶測で物事を述べるのはやめてください、応援団の精神に反している、尊敬している不知火学園さんの言葉とは思えない」と反論する龍太郎。勇気を持って反論できるのってかっこいいし、そんな風に味方してくれる仲間っていいなあと感じた。
失礼なことをしたらちゃんと謝る。試合で勝っても負けても相手の健闘をたたえる。そういった応援団の礼儀正しさ、硬派な感じも立派。野球部になかなか認められない時、「自分たちの熱意や気合、努力が足りないんだよ」と団員を鼓舞する桃子のストイックさも含めて、応援団のことが好きになる映画だと思う。
団服を着ていた新垣結衣が最後セーラー服姿に戻ったシーンがかわいい。「第五十代櫻木高校応援団団長 百山桃子 押忍」という映画の終わり方も良い。
早慶戦の応援や雰囲気を高校・大学時代で経験していたという点、また、一週間田舎に滞在する、毎晩晩酌をするOBのおじさん達、応援の仕方をOBから教わるところなどパインツアーと雰囲気が似ていた点から、親近感のある作品だった。
チア姿の加藤諒はネタ。