佐藤克巳

恋の十三夜の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

恋の十三夜(1949年製作の映画)
4.0
「をぢさん」渋谷共同、「ことぶき座」等通俗映画は名人級に上手い原研吉監督の、京都情緒たっぷりの舞妓折原啓子、学生池部良のすれ違いメロドラマの秀作。池部叔父北竜二が縁談相手令嬢月丘夢路等を伴って来洛、名所巡りを池部に任せた。折原父河村黎吉は月丘の屋敷元運転手で恩義があり、折原に池部を諦める様説得し、置屋女将叔母岡村文子は身請を推し進める。北が策略し池部は帰京、月丘に本心を打ち明け了承してくれると、京都洛外橋上で折原と再会し、二人で愛度見上げる十三夜。池部の学友伊沢一郎が仲立ちに奮闘し舞妓姐さん市川春代の後押し、何より美貌賢女月丘の二人への理解が決定的。なお、折原は結核から再起して間がないのか痩せ細っていたが、皮肉にも役柄に合致していた。
佐藤克巳

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