天才小説家トールマンカポーティが一家惨殺事件を題材に書いた「冷血」
高い評価を得たが、それ以降彼が小説を書くことはなかった。
こういう系ほんと大好物。TSUTAYAで偶然見つけて即借りでした。
最初にカポーティ役を見たらびっくり。予想とは全然違う性格や声。性格は決していいとは言えず、声も甲高く違和感。大丈夫かよこの映画と思っていました。しかし!そんな不安は遥か彼方へ……
フィリップシーモアホフマン演じるカポーティの演技。これほどまでに繊細さを感じたのは初めてでした。表では、小説の世界で成功し、パーティーの場ではジョークで周囲を笑わせる人気者。はたから見ればさぞかし羨 く まれたことでしょう。しかしその裏側は幼少時に親から捨てられ、周囲に人は絶えぬものの孤独を感じている繊細な男。
そんな虚勢を張っているような中で出会う一家惨殺事件の犯人ペリー。始めはただ小説のためにただ利用するつもりでいたのに、長時間を共にするらことで同じような境遇を持っていることを知り自身と似ていることに気がつく。
……たまらない! 「同じ家に生まれ、正面玄関から出て行ったのが自分で、裏口から出て行ったのがペリーだ」
この台詞でカポーティがペリーに抱く感情がさりげなく、かつはっきりと伝えてきますね。
だからこそ、小説完成ために死刑になってほしい気持ちと、死刑にならないよう何とかしてあげたいというカポーティの葛藤がより伝わるのかなと。
結果として、彼の人生を壊したともとれる小説「冷血」読んでみたいと思います。