COZY922

ノッティングヒルの恋人のCOZY922のレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
3.8
大女優と一般人(書店経営者)のラブストーリー。『ローマの休日』のオマージュだとよく言われる映画。身分違いの恋は映画にしやすい題材な反面、ベタで先が読めてしまうのが玉にキズ。好きな映画だけど純粋にラブストーリーとして見ると、住む世界が違う2人の恋なら『ローマの休日』ジュリアロバーツなら『プリティウーマン』書店つながりなら『ユー・ガット・メール』のほうが好き。

実はこの作品で一番好きなのは本筋の恋愛ではなくて友情や家族愛の部分。

いい大人になっても妹のバースデーを気心の知れた仲間と一緒に祝う。温かく楽しい雰囲気のホームパーティー。シリアスなこともふざけたこともざっくばらんに分かち合える関係。主人公の恋の成就に皆で車を走らせるシーン, etc 。ちょっと変な同居人に、愉快で個性的な友人たち。周囲の人々と 雰囲気あるノッティングヒルの街並みが、王道過ぎるほど王道のストーリーを巧く補完して作品の空気をかなりいいものにしている。

もう1つ忘れてはならないのがエルヴィス・コステロの『She』。冬に飲むブランデー入り紅茶のような、芳醇で温かな甘さのある歌にこちらの気持ちも芯まで温まるよう。

身分や結末の違いはあれど、骨子となるストーリーや記者会見のシーンはほとんど『ローマの休日』。2作品を比べると個人的な好みは、切ないエンディングが2人の時間を珠玉のものに昇華させた『ローマの休日』に軍配が上がるけれど、これはこれでいいと思う。タレ目イケメン、ヒュー・グラントがいい味出してます。
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