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秋刀魚の味のひかりのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
4.8
日本の映画の黄金期は、世界に通用するレベルだったみたいで、よく海外の映画監督もリスペクトしてるって話を聞くけど、それはあくまで卓越した監督がたまたま居たって事で、俳優のレベルはあんまり関係ないのかなって思った。
逆に、小津映画で俳優がアーティストみたいな頑張り方をしても作品にとっても、その俳優が演じる役にとってもあんまり良い事にはならない気がした。

でも、小津と笠智衆のコンビネーションは本当に良い味を出してる。
俳優と俳優が出会って生まれる味、俳優とその役が出会って生まれる味、いろいろあると思うけど、監督と俳優が出会って生まれる味って言うのもかなり大切なんだなぁ。

この前、朝イチでピアニストの清塚信也さんが写真を題材にいろんなパターンで作曲してみるってコーナーがあったけど、同じ写真でもBGMによってぜんっぜん見え方が違っていて驚いた。
これが、演出の凄さなんだなって。
笠智衆には小津映画のBGMが本当にぴったりなんだよなぁ....!
本当に笠智衆はいつもふわっとそこにいるんだけど、それが小津映画の中で唯一無二の存在感を放ってる。
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