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リトル・チルドレンの708のネタバレレビュー・内容・結末

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「TAR/ター」がよかったので観ました。トッド・フィールド監督の2作目。この作品の次が16年ぶりの「TAR/ター」なんですね。

退屈な専業主婦と妻に養ってもらって司法試験の勉強をしている主夫が、子供の遊び場の公園でひょんなきっかけで出会った女性との不倫ストーリーと、彼らが住む街に服役していた幼児性愛の男が出所してくるストーリー、そこに関わる人たちのストーリーが絶妙に絡んで展開していく群像劇。全体的にどことなく薄っすらとコメディっぽい匂いも。人間の未熟さや愚かさって、端から見ると滑稽に思えます。

「リトル・チルドレン」というタイトル通り、たくさんの子供が出てくるけれど、どちらかというと大人になれない子供っぽい大人たちへの皮肉の意味合いが強いです。公園でのママ友たちのクソみたいな会話は本当に大人げないし、不倫相手とのデートのために大事な司法試験をサボっちゃうとか、スケートボードの無謀なチャレンジとか、理性を失った向こう見ず加減はかなり子供っぽい。でも、最初から成熟した大人なんているわけがないから、すべての人が日々失敗を繰り返しながら、大人へ成長していく過程を歩んでるってことなんだなぁと。

みんなどことなく現実逃避をしている中で、一番子供っぽそうに思える幼児性愛者のロニーだけが、結果的に現実と向き合おうとしていました。でも、どう向き合っていいのかがわからないという不器用さや葛藤がよく伝わりました。
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