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タワーリング・インフェルノのぉゅのレビュー・感想・評価

3.8
2021年 鑑賞 21-275-17
リチャード・マーティン・スターン先生の小説「そびえたつ地獄」と、トーマス・N・スコーティア先生、フランク・M・ロビンソン先生共著による小説「タワーリング・インフェルノ」の2作品を、スターリング・シリファント氏が1本のシナリオにまとめた、超高層ビル火災を描いたパニック作品。「ポセイドン・アドベンチャー」等のアーウィン・アレン氏製作、「キングコング(76)」「ナイル殺人事件(78)」等のジョン・ギラーミン監督。
1970年代中盤期のパニック映画ブームの最高傑作と評されていて、1974年度のアカデミー賞で撮影賞、編集賞、歌曲賞(音楽はジョン・ウィリアムズ氏)を受賞している。

サンフランシスコの新名所、138階建のグラスタワーが落成式を迎えた。ビルの設計者はダグ・ロバーツ(ポール・ニューマンさん)。社長はジェームズ・ダンカン(ウィリアム・ホールデンさん)である。ロバーツはこの仕事を最後に、婚約者のスーザン(フェイ・ダナウェイさん)と砂漠で生活をするために退職を志願しているが、社長はそれを引き留め続けている。最上階の会場に300名の来賓を招いた落成式が始まる頃、ビル地下室の発電機が故障したため、主任技師らは予備の発電機を始動させたことで小さな火花が走り...

高層ビルを見上げるように低いところからどんどん(テンション)が上がっていくストーリー。ビルの点灯していくところは、やっぱり興奮する。

消防車・バックドラフト現象は「バックドラフト」を、人命より利益優先のお偉いさんは「ジョーズ」を、事前に決まっていた順番を無視して避難しようとする行為は「タイタニック」を思い出させる。

消防隊のマイケル・オハラハン(スティーブ・マックイーンさん)の頭の回転、救助にかける思いは激熱!ダン(ロバート・ワグナーさん)とローリー(スーザン・フラネリーさん)のシーンは、連絡手段がない中での壮絶な男女のドラマ、火の回り方や炎の脅威も壮絶で、目が離せなかったし、男女の幸せなところでも、一気に絶望へ変える火災。ロバーツとミュラー先生(ジェニファー・ジョーンズさん)のシーンも良かった! “家族愛” を感じる。染みた。

“人を殺したんだぞ”
利益優先のビルのの予算削減工事を命じたダンカン社長、その手抜き電気系統工事をした社長の娘婿ロジャー・シモンズ(リチャード・チェンバレンさん)。と同様、それを監視する事を怠ったとして、彼らと同罪で、人を殺したということを言ったロバーツの背中は大きかった!重い決断した時だけに、彼の決意は刺さった。

“じゃあな 建築家”
最後の展開は、ハラハラから... でも、安心できたし、胸熱なラストは最高だった!

今でも利益優先や過信からくる人災事故は絶えず、今観ても色褪せないことは、ある意味でこの頃からほとんど進歩してないということ。そこは映画に寄せていくべき所ではないという事を、この作品を観て、学んでいただきたいものです。

高層過ぎる建物の消化作業の困難さ、火の恐怖をしっかりと描いた名作。原因も人災という皮肉さ、心改めて行動しないと... と引き締められる作品だ。あとベタだが、スティーブ・マックイーンさん × ポール・ニューマンさんの共演も上がる共演だった(ほぼ一緒にならないどころか、マックイーンさんは中盤から登場だから、2人が同じ画面だとより上がる)。また、ワーナー・ブラザース・20世紀フォックス共同製作・提供だけに火災の迫力が半端なかった!アメリカの本気度を見せつけられた!

余談:火事やボヤに遭遇することも滅多にないが、消化器や放水は炎の低い位置を狙うは覚えておこう。

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