このレビューはネタバレを含みます
2人以上の人間がするコミュニケーションには他者には理解できない掟ができる。
(今作では1人の人間がする行動が理解されないというところも含めてな気がしますが)
そんなことが映像として表現されている気がしました。
★レストランで時計を外させる男性
★ショッピングモールでの歪な恋人関係の2人の喧嘩
★子供を放置したのは自分たちなのに、暴力で子供を抑圧する親
作中作など交えながら理解不能さを愉しめた。
そして、彼らにはたぶん、彼らがそういう行動をとった具体的な理由があるのでしょう。それは演じろと命令されたというのが理由なシーンもあるのが面白いとこでした。そして、その理由を魅せないハネケがやっぱり好きだなとなりました。
結構いろんなシーン魅せないことで伝えるというのは高度な技術ですね。挑戦的な作風でした。
感想
結局ひとりひとりの人間は他人であり、行動理由すらわからない。それを淡々と描き出してしまうのがすごい。しかもエピソードも多彩。
結局、人は1人の人間がなぜそんな行動するのか聞いてみないとわからないし、聞いたってわからないこともあるし。案外、わからなくてもわかった気にさえなれればコミュニケーションは成立することを教えてくれる。