コード・アンノウンの作品情報・感想・評価

「コード・アンノウン」に投稿された感想・評価

ファニーゲームとピアニストが無理すぎてハネケに対してとっても苦手意識があったけど、ハッピーエンドがDVD欲しいくらい面白かったからこの作品も見てみた。やっぱ無理。ハネケは向いてないわ…となったけれどマゾヒストなので次はベニーズビデオでも見るか…と言った感じ

このレビューはネタバレを含みます

《過去に観たハネケ作品をもう一度観直そう!ひとり企画》
あれ?いつ以来だ?!!!

やっぱり難解だわ〜!

聾唖の子どもたちのジェスチャーから始まる『コード・アンノウン』

①女優のアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と恋人の戦場カメラマンのジョルジュの2人の関係。
②ジョルジュの弟ジャンと、農場を営む父親との会話のない生活。
③ジャンに侮辱された不法滞在のルーマニア女性の彼女のその後。
④ジャンの態度に憤った移民のアマドゥとその家族の生活。

貧富の差、人種差別、移民問題をこれでもかというくらい織り交ぜ観ている側に突きつけながらも ほとんど絡みのない登場人物たち。

腹立たしくなる程のブツ切りの映像。
何を観せられているのか理解のしようがなく、いや、それがハネケの意図するところなのか。

冒頭数分で起こる、ザワザワと気持ちが波立つような、ジャンの起こした事件。

観ていて心が痛くなる程のアンヌとジョルジュのスーパーでの諍い。

小さな子どもが20階の建物の手すりによじ登る姿。

地下鉄の中で移民の少年たちに絡まれるアンヌ。

↑こう書いただけじゃ分かんないけどね。
やり切れない気持ちが爆発しそうな場面たちです。

唯一のBGMが、聾唖の子どもたちの演奏する太鼓。
そしてホント面白い!と思ったのが、部屋に入れないジョルジュ!
「暗唱番号不明=コード・アンノウン」

いつものように、ザワザワと不安な気持ちだけが取り残されました。
この後『ファニー・ゲーム』突入したら死ぬなぁー(>ω<、)
パン

パンの感想・評価

3.9
よくわからなくて あらすじや解説を見ながら。

伝えたいもの伝わらないもの伝わらないでほしいこと…


親切心のない映画。すごく好き。

このレビューはネタバレを含みます

・「解読不能」人と人とは解り合えないと言うことをこれでもかと突きつけてくるミヒャエルハネケの意欲作
・途中までぼんやりと見てて、これは隅々までそれこそ長江俊和の「放送禁止」シリーズのように何回も見なくてはと、1回目を見終えて解説を読み漁って相関図を頭に叩き込んで2回目を見ると様々なことが映像で語られていることに気づく
・冒頭の聾唖のジェスチャーゲームは子供同士で行っていたが、ラストは完全に我々観客に向けられている
・女優のアンナは最初の時点ですでに部屋の番号を変えたことをジャンに告げている
・聾唖の子供たちと一緒に太鼓を叩く正義感溢れるアマドゥも白人の気になる女の子がはずした時計を気にも留めない
・街で物乞いをする移民の母親マリアは周りには出稼ぎで教師をやっていると嘘をつかざるを得ない状況
・DVDのジャケットになってるアンナのプールの場面は仲の良い俳優と芝居をしてて自分の息子を助けるヒロイックな虚構のシーンであることが現実の失望感がより浮き立つ
・アンナのアパートで幼児虐待が行われてると知りながらもなにもできない無念さが向かいのおばあさんとのメモのやり取りとその後の葬式の帰りの二人の表情から伝わる
・「ある戦慄」を思わせる電車内のアンナに絡む二人組の緊張感、だが台詞を聞くとこの若者はアラブ系で「臭う」などの言葉を浴びせられた過去がある、そしてその若者を「恥を知れ」と一喝する男性もまたアラブ系であるということ
・どのハネケ作品も強烈な映像体験を与えてくれるという意味でやはり目が離せない監督の一人
新田畳

新田畳の感想・評価

3.9
賑やかさには異分子さえも風景の一つとして溶け込ませてしまう厄介な力がある。

都市とはそういう場所だ。
乱立した人工物の中で常に猛威を振るう、他者との断絶を黙認する景色の暴力。

路上に座り込む物乞い、スーパーの店内で大喧嘩をするカップル、電車内で他の乗客に絡むチンピラ。
全ては混沌の景色の一部であるが故、それを目の当たりにした人間は、今目の前で起こっている出来事と自分との関係を切り離すのだ。

しかし同時に、その孤独に逃げ込んだはずの一個人でさえも、暴力は並列化し景色の中に組み込んでしまう。

多様性や寛容とは大きく離れた所に都市の個人は存在する。

彼らの中には人種問題など存在しない。
なぜならそこにあるのは、いつも通りにやかましいだけの「単なる風景」に過ぎないからだ。
otom

otomの感想・評価

4.8
ハネケ祭りの続き。例の如くかなり記憶が曖昧で色んなとこでこんなシーンあったなと云った感じ。のっけの長回しから始まり、先の作品同様に断片的かつなかなかピリピリと息苦しく進む。ヨーロッパにおける相互に『伝達』できないEU感を浮き彫りにする。露骨な差別表現のあるあるシリーズで先日のフィラデルフィアのスタバみたいなのから『ある戦慄』みたいな電車内での超絶嫌なシチュエーションみたいなやつまでてんこ盛り。これが世界だと見せつけてくるハネケ。許し合う終末の世界はまだまだ遠い。傑作。
正論でもやり方をまちがえるとわかりあえない。もはやいちゃんもんにすら発展する。

ハネケ作品はショッキングなイメージだけど、これはもやっと系。いやーな感じでも刺激を求めてみるとちょっとものたりないかもしれない。ナチュラルな偏見や敵意をたんたんと見せられる。
みててわかるけど、自分が日本人だからなのか日常と重なることはあまりなく、どこか他人事に見えてしまってなんとなく入り込めなかった。

このレビューはネタバレを含みます

通じ合うことの出来ない人間たちが見事に描かれていて、それが社会に隣接している恐怖。
00年に撮られたことが何より恐ろしく、この後を予感させる一本であり、この問題は、進行中である。
グローバリズムと資本主義の暗部を照らし出し、かつ彼の冷徹な目線がペシズムではなく、リアルであると気づかせられる作品。
ハネケ的な不愉快さが、かなり抑えめにかつ上手く機能してる作品にも思うが、観客はそれ以上求めているんでは・・・
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 女優のアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、恋人ジョルジュの弟ジャンの突然の訪問を受ける。実家の農家を継がせようという父に反抗して家出してきたという。女優の仕事に追われるアンヌは適当に聞き流し、合鍵を渡し自分の部屋で待つように言って別れる。アンヌの素っ気ない反応に強い不満を感じたジャンは、彼女が買い与えたパンの包み紙を、路上に座るホームレスの女に投げつけた。それを見て憤った黒人移民アマドゥがジャンを捕まえ、女に謝るよう要求するが、やがて口論から乱闘に発展し、警察を呼ばれる騒ぎになる。このフランスのしがない通りでの100mにも満たないやりとりに多くの人間が介在する。今作はオーストリア時代の群像劇『71フラグメンツ』と同工異曲の様相を呈す。主人公のジュリエット・ビノシュは、『ファニー・ゲーム』以来の上流階級の女性として登場する。彼女は実際の職業さながらに女優を演じ、一定の富と名声を得ている。一方で恋人ジョルジュの弟ジャン、物乞いの女、黒人青年アマドゥは完全なる労働者階級としてラベリングされる。

 これまでのハネケの映画の中でも、階級や貧富の差、人種差別の問題が頭をもたげていた。『セブンス・コンチネント』では移民の核家族がクローズ・アップされ『ベニーズ・ビデオ』では裕福な一人っ子の少年が少女を衝動的に殺してしまう。『71フラグメンツ』ではオーストリアに亡命した少年が富裕層の夫婦に引き取られるが、学生の暴挙により母親は幼い少年を残し天国へと旅立つ。『ファニーゲーム』では2人の青年が、ブルジョワジーの別荘を襲い皆殺しにした。今作もハネケの根底にある階級間闘争の側面は否めない。恋人ジョルジュの弟ジャンの告発は我々観客から観て実に真っ当なものであるにも関わらず、警察の見立てでは彼ら3人の証言よりも、皮膚の色やビザの有無がモノを言う。それは中盤の物乞いの女の飛行機での強制送還の場面と黒人青年アマドゥの拷問場面に象徴される。アマドゥはアフリカ移民の子であり、家族はそれによる様々なストレスを抱えている。彼の母親は身の回りに起きる問題を全て自分たちが移民であるから起きたものだと決めつけ、白人に責任を求める原理主義的な思想に陥る。そのためアマドゥが白人の女性と付き合っていることも、母親は快く思わない。

 物乞いの女もまたルーマニアからの不法移民であり、彼女がジャンと黒人青年アマドゥの口論に巻き込まれたくなかったのは、警察に身元がバレれば、ルーマニアへの強制送還を避けられないからである。女優であるアンヌにとっては、恋人ジョルジュとその弟ジャンの近況くらいがせいぜい入ってくる知識であり、更に末端の物乞いの女の強制送還や黒人青年アマドゥの境遇などは情報として入ってこないし、自ら知ろうとも思わない。けれど我々観客にはアンヌだけではなく、彼らの境遇がアンサンブル・プレイで均等に情報として提示される。その状況をもってしても、果たして彼らを見殺しにすることは出来るのだろうか?共犯関係を丁寧に綿密に作った上で、ハネケはアンヌに対し、ある突発的な暴力の犠牲になることを強いる。映画は前半、今作における監督が女優の彼女に「君には死んでもらうことにした」と呟く場面がある。それがクライマックスに突然なんの前触れもなくテロ行為として起こる。映画は冒頭部分とクライマックスに、聾唖の子供達がジェスチャーのクイズをする様子を映し出す。無知による排除を皮肉る物語は、1本の線に束ねないまま唐突に終わりを迎える。
inabow

inabowの感想・評価

3.4
絶妙な長回しが印象に残ってます。

他者と心を通じ合わせることは叶わない夢なのか?
気持ちを伝えようとしても伝わらない。
これはハネケの作品に一貫するテーマだと思います。本作と同じく人種の壁によって分かち合えない人々を描いた『隠された記憶』。大人と子どもの考えのすれ違いを描いた『白いリボン』『ベニーズ・ビデオ』など。本作『コード・アンノウン』では、そんな遣る瀬無い現実を次々と断片的に見せられます。
要するに嫌~な映画です😱
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