コード・アンノウンの作品情報・感想・評価

「コード・アンノウン」に投稿された感想・評価

様々なアイデンティティを持った人物たちがあるかないか微妙な作用・反作用を引き起こしていく様を見せつけられるんだけど、全く話が繋がっていく様子がない。おそらく、ビノシュ演じる主人公格の女優には実際そういう風に自分に関係のないこととして思われているんだろうし、状況があってそれに対する心理的・情動的な反応が沸き起こって行動に移る、という古典的な物語の図式からはとてつもなくズレている。物語と言えるほどの全体的なまとまりを与えず、ひたすら断片を提示していくスタイル自体が、ハネケの現実認識を示している。
Yamachan

Yamachanの感想・評価

3.6
非常にざく切り、いろんなメッセージがてんこ盛りでした。
ただ71フラグメンツのインタビューでハネケが言ってた、人は会話の一部しか聞かないし、その中のさらに一部しか理解してないっていうのを痛感させられました。
今まで見てきた映画の中で一番内容は難解だった気がしますが、なんとなく伝えたい事はぼんやりと見えたかもしれません
u

uの感想・評価

3.5

一回じゃ全くわかりません…!
二回観て理解できる気もしないのですが、
ハネケ作品の雰囲気が好きなのでよくわからなくても満足してしまうんだなぁ。笑
ヒルコ

ヒルコの感想・評価

2.9
わ、なにこれ!ぶつ切りだな!内容を理解出来たとは思えないんだけれど、「なんて嫌な世界にわたしは生きてるんだろう」って言う、すごく失敗したような気持ちにさせられた。あーやだやだ。
ファニーゲームとピアニストが無理すぎてハネケに対してとっても苦手意識があったけど、ハッピーエンドがDVD欲しいくらい面白かったからこの作品も見てみた。やっぱ無理。ハネケは向いてないわ…となったけれどマゾヒストなので次はベニーズビデオでも見るか…と言った感じ

このレビューはネタバレを含みます

《過去に観たハネケ作品をもう一度観直そう!ひとり企画》
あれ?いつ以来だ?!!!

やっぱり難解だわ〜!

聾唖の子どもたちのジェスチャーから始まる『コード・アンノウン』

①女優のアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と恋人の戦場カメラマンのジョルジュの2人の関係。
②ジョルジュの弟ジャンと、農場を営む父親との会話のない生活。
③ジャンに侮辱された不法滞在のルーマニア女性の彼女のその後。
④ジャンの態度に憤った移民のアマドゥとその家族の生活。

貧富の差、人種差別、移民問題をこれでもかというくらい織り交ぜ観ている側に突きつけながらも ほとんど絡みのない登場人物たち。

腹立たしくなる程のブツ切りの映像。
何を観せられているのか理解のしようがなく、いや、それがハネケの意図するところなのか。

冒頭数分で起こる、ザワザワと気持ちが波立つような、ジャンの起こした事件。

観ていて心が痛くなる程のアンヌとジョルジュのスーパーでの諍い。

小さな子どもが20階の建物の手すりによじ登る姿。

地下鉄の中で移民の少年たちに絡まれるアンヌ。

↑こう書いただけじゃ分かんないけどね。
やり切れない気持ちが爆発しそうな場面たちです。

唯一のBGMが、聾唖の子どもたちの演奏する太鼓。
そしてホント面白い!と思ったのが、部屋に入れないジョルジュ!
「暗唱番号不明=コード・アンノウン」

いつものように、ザワザワと不安な気持ちだけが取り残されました。
この後『ファニー・ゲーム』突入したら死ぬなぁー(>ω<、)
パン

パンの感想・評価

3.9
よくわからなくて あらすじや解説を見ながら。

伝えたいもの伝わらないもの伝わらないでほしいこと…


親切心のない映画。すごく好き。

このレビューはネタバレを含みます

・「解読不能」人と人とは解り合えないと言うことをこれでもかと突きつけてくるミヒャエルハネケの意欲作
・途中までぼんやりと見てて、これは隅々までそれこそ長江俊和の「放送禁止」シリーズのように何回も見なくてはと、1回目を見終えて解説を読み漁って相関図を頭に叩き込んで2回目を見ると様々なことが映像で語られていることに気づく
・冒頭の聾唖のジェスチャーゲームは子供同士で行っていたが、ラストは完全に我々観客に向けられている
・女優のアンナは最初の時点ですでに部屋の番号を変えたことをジャンに告げている
・聾唖の子供たちと一緒に太鼓を叩く正義感溢れるアマドゥも白人の気になる女の子がはずした時計を気にも留めない
・街で物乞いをする移民の母親マリアは周りには出稼ぎで教師をやっていると嘘をつかざるを得ない状況
・DVDのジャケットになってるアンナのプールの場面は仲の良い俳優と芝居をしてて自分の息子を助けるヒロイックな虚構のシーンであることが現実の失望感がより浮き立つ
・アンナのアパートで幼児虐待が行われてると知りながらもなにもできない無念さが向かいのおばあさんとのメモのやり取りとその後の葬式の帰りの二人の表情から伝わる
・「ある戦慄」を思わせる電車内のアンナに絡む二人組の緊張感、だが台詞を聞くとこの若者はアラブ系で「臭う」などの言葉を浴びせられた過去がある、そしてその若者を「恥を知れ」と一喝する男性もまたアラブ系であるということ
・どのハネケ作品も強烈な映像体験を与えてくれるという意味でやはり目が離せない監督の一人
新田畳

新田畳の感想・評価

3.9
賑やかさには異分子さえも風景の一つとして溶け込ませてしまう厄介な力がある。

都市とはそういう場所だ。
乱立した人工物の中で常に猛威を振るう、他者との断絶を黙認する景色の暴力。

路上に座り込む物乞い、スーパーの店内で大喧嘩をするカップル、電車内で他の乗客に絡むチンピラ。
全ては混沌の景色の一部であるが故、それを目の当たりにした人間は、今目の前で起こっている出来事と自分との関係を切り離すのだ。

しかし同時に、その孤独に逃げ込んだはずの一個人でさえも、暴力は並列化し景色の中に組み込んでしまう。

多様性や寛容とは大きく離れた所に都市の個人は存在する。

彼らの中には人種問題など存在しない。
なぜならそこにあるのは、いつも通りにやかましいだけの「単なる風景」に過ぎないからだ。
otom

otomの感想・評価

4.8
ハネケ祭りの続き。例の如くかなり記憶が曖昧で色んなとこでこんなシーンあったなと云った感じ。のっけの長回しから始まり、先の作品同様に断片的かつなかなかピリピリと息苦しく進む。ヨーロッパにおける相互に『伝達』できないEU感を浮き彫りにする。露骨な差別表現のあるあるシリーズで先日のフィラデルフィアのスタバみたいなのから『ある戦慄』みたいな電車内での超絶嫌なシチュエーションみたいなやつまでてんこ盛り。これが世界だと見せつけてくるハネケ。許し合う終末の世界はまだまだ遠い。傑作。
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