ぴっち

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲のぴっちのレビュー・感想・評価

-
ポケモンはそれこそど真ん中の世代だけど、いわゆる"ポケモンショック"の頃からアニメは見なくなったので映画も初見。すごく良かった。大人の鑑賞にも耐えるテーマであるのも確かだけど、思った以上に映像がしっかりしていた。なんてことない場面だし、ありえないと言えばありえないけど、荒波を超える場面の臨場感は「ポニョ」の次くらいに凄いと思う。

シナリオもすばらしかった。作られた存在であるミュウツーがひたすら己の存在意義を問いながら、サトシたちがひたすらポケモンと人間の関係を示し、挙句ポケモンのバトルを否定することになる展開は壮絶というか、ある意味「反戦/非戦」の日本人の論理そのものなんだけど、ものすごく説得力を持っていた。頭でっかちな会話劇で示すのではなく、「そうなってしまった」ようにしか見えないのは本当に見事。

バトル真っ最中に差し込まれるニャースの一言も、人間の戦争の歴史の無意味さを示しているかのよう。クライマックスはEOEみたいだった。ひたすら尖っていた映画だった。
ぴっち

ぴっち