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孤高のyuriaのレビュー・感想・評価

孤高(1974年製作の映画)
4.5
樋口泰人さんトーク付き。わたしに笑って、ジーン・セバーグ!ニコ!ティナ・オーモン!ガレルのいわゆるサイレント映画とは異なる物語も繋ぎもない無声映画は、しかし相変わらずガレルらしいクロースアップのフェイスショットのみでショットを繋ぐことによって、わたしの《映画がすき、美女がすき》という始まりの気持ちをどの映画よりも圧倒的に刺激した。全く眠くない。ずっと観ていられる。例えばスクリーンからいきなりこちらを向いたとき、視線があったと錯覚してしまうほど40年前の彼らは生々しくスクリーンを生きていて、その透き通った眼と微笑みの美貌が、観客の呼吸すら奪っていく。呼吸するために、生きるためにカメラを覗き、その奥にいるガレル、さらにその奥のわたしたちを見てくるだなんて、まるでヴァンパイア映画ではないか。
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